星を落とす
捡星星
むかしむかし、吉四六さんと言う、とてもゆかいな人がいました。
很久很久以前,有一个叫吉四六的人。
ある日の事、吉四六さんが、村人たちに向かって言いました。
有一天,吉四六对村民们说。
「今夜、わたしは空の星をほうきではいて落とすから、みんなで拾いに来て下さいな」
“今天晚上,我会用扫帚扫掉天上的星星,请大家来捡啊。”
「何だって? 空の星をほうきで落とす。はん。馬鹿馬鹿しい事言うな」
「你说什么?用扫帚把天上的星星打落。别说傻话了。」
「じゃあ、来なくてもいいですよ。わたしが一人で落とすから。あの空の星はみんな金で出来ているから、わたし一 人で拾ってお金持ちになるから。後でうらやましがったって知らないから」
“那你不用来了,我一个人捡。那天上的星星都是用钱做的,我一个人捡起来就有钱了。你以后会羡慕我的。”
そう言う吉四六さんの言葉に、村人たちもついつい欲が出て、
吉四六这样说,村民们也不知不觉相信了。
「それじゃあ、試しに行ってみようか?」
“那么,去试试看吧?”
「そうだな。万が一と言う事があるし」
“是啊,万一呢。”
と、夜になると吉四六さんの家の周りに集まってきました。
一到晚上大家聚集在吉四六家周围。
しかし、肝心の吉四六さんがどこにもいません。
但是,最重要的吉四六却没有出现。
「おかしいな、吉四六さんはどこへ行ったのだろう?」
“好奇怪啊,吉四六去哪里了?”
「おーい。吉四六さーん!」
“喂,吉四六!”
誰かが呼んでみると、
有人大声呼唤
「おーい。ここだ」
“喂,在这里。”
と、頭の上で答える声がします。
在头上有回答的声音。
見てみると吉四六さんが屋根の上に登っていて、手に長い竹ぼうきを持っていました。
大家一看,吉四六爬到屋顶上,手里拿着一根长长的竹竿。
「吉四六さん、星はまだ落ちないのかい?」
“吉四六,星星还没落下来吗?”
「まあ、そんなに急ぐもんじゃあないよ。もう少し、待ちなさい」
“哎呀,别那么着急,再等一会儿。”
そう言って吉四六さんは、空を見上げました。
吉四六这样说着,抬头看了看天空。
暗い空には、キラキラとたくさんの星が光っています。
黑暗的天空中,闪闪发光的星星闪闪发光。
「ところで吉四六さん。あんな高い空まで、ほうきが届くのかい?」
“对了,吉四六。那么高的天空,扫帚能到达吗?”
みんなが笑いながら言うと、吉四六さんはまじめな顔で、
大家笑着说,吉四六一脸严肃
「届くとも、今にきっと、金の星をはたき落としてやるからな」
“够到了,今天一定会把金星打下来的。”
と、言いながら、ほうきを振り回しましたが、もちろん、星は一つも落ちて来ません。
一边说着,一边挥舞着扫帚,当然,一颗星星也不会掉下来。
「あれ、おかしいな?」
“咦,好奇怪啊?”
吉四六さんは、少し慌てました。
吉四六有点慌张。
「ほれ、ほれ、落ちろ! はやく落ちろ! すぐに落ちろ!」
“喂,喂,掉下来!快掉下来!马上掉下来!”
怒鳴りながらほうきを振り回す吉四六さんに、村人の一人が言いました。
看着一边大喊一边挥舞扫帚的吉四六,村民之一又说话了。
「だから駄目だって。もう止めなよ。屋根から落ちたら怪我をするよ」
“所以说不行。别再这样了。从屋顶掉下来会受伤的。”
「何、そう簡単にあきらめるものか。見ていろ!」
“什么,怎么能这么轻易就放弃呢?快看!”
吉四六さんは、むきになってほうきを振り回しました。
吉四六转身挥舞着扫帚。
するとその時、空の星が1つ、スーッと流れて、どこかへ落ちていきました。
这时,天上的一颗星星嗖嗖地流了下来,不知掉到哪里去了。
それは、流れ星です。
那是流星。
でも、吉四六さんは、
但是,吉四六先生说
「よし、やったぞ!」
“好,我做到了!”
と、大きな声で大喜びです。
大声地非常高兴。
「そら、そら、星が落ちただろう。わたしがほうきで落としたんだ。みんな早く行って、拾っておいで」
“喂,喂,星星掉下来了吧。是我用扫帚掉的。大家快去捡吧。”