父: ふん、ふん……こっちだ。
母: あきれた。これ全部 食べ物屋よ。
千尋: 誰もいないねー。
父: ん?あそこだ!おーい、おーい。はぁー。うん、わぁ。 こっち こっち。
母: わぁー、すごいわねー。
父: すみませーん、どなたかいませんかー?
母: 千尋もおいで、おいしそうよ。
父: すいませーん!!
母: いいわよ、そのうち来たらお金払えばいいんだから。
父: そうだな。そっちにいいやつが……
母: これなんていう鳥かしら。……おいしい!千尋、すっごくおいしいよ!
千尋: いらない!ねぇ帰ろ、お店の人に 怒られるよ。
父: 大丈夫、お父さんがついてるんだから。カードも財布も持ってるし。
母: 千尋も食べな。骨まで 柔(やわ)らかいよ。 骨 ほね
父: 辛子。
母: ありがと。
千尋: おかあさん、おとうさん!!
「諦めて歩き出す千尋。油屋の建物を見つける。」
千尋: へんなの。