「『二天』につくが、『天』まで千尋を連れて行くおしらさま。」
「奥のドアを開けようとする千尋。」
湯婆婆: ノックもしないのかい!?
千尋: やっ!?
湯婆婆: ま、みっともない娘が来たもんだね。さぁ、 おいで。……おいでーな~。
千尋: わっ!わ……っ!!いったぁ~……
「頭が寄ってくる。」
千尋: ひっ、うわぁ、わあっ……わっ!
湯婆婆: うるさいね、静かにしておくれ。
千尋: あのー……ここで働かせてください!
「魔法で口チャックされる千尋。」
湯婆婆: 馬鹿なおしゃべりはやめてくれ。そんなひょろひょろ に何が出来るのさ。
ここはね、人間の来るところじゃないんだ 。
八百万の神様達が疲れをいやしに来るお湯屋なんだよ。
それなのにおまえの親はなんだい?お客さまの食べ物を豚のように食い散らして 。
当然の報いさ。
おまえも元の世界には戻れないよ。
……子豚にしてやろう。ぇえ?石炭、という手もあるね。
へへへへへっ、震えているね。……でもまあ、良くここまでやってきたよ。
誰かが親切に世話を焼いたんだね。
誉めてやらなきゃ。誰だい、それは?教えておくれな……
千尋: ……あっ。ここで働かせてください!
湯婆婆: まァだそれを言うのかい!
千尋: ここで働きたいんです!
湯婆婆: だァーーーまァーーーれェーーー!!!
湯婆婆: なんであたしがおまえを雇わなきゃならないんだい!?
見るからにグズで!甘ったれで!泣き虫で!頭の悪い小娘に、仕事なんかあるもんかね!!
お断りだね。これ以上穀潰しを増やしてどうしようっていうんだい!
それとも……一番つらーーいきつーーい仕事を死ぬまでやらせてやろうかぁ……?