海岸でヒツジに草を食べさせていたヒツジ飼いが、波もないおだやかな海をながめて、「ヒツジを飼うよりも、船を使って商売をする方がよさそうだな」と、考えました。
そこでヒツジを全部売って、そのお金でナツメヤシの実を買って船に積んで海に出ました。
ところが、すぐに激しい嵐がおこって船が沈みかけたので、積み荷のナツメヤシの実を全部海に捨てて、空の船でやっと助かりました。
その後だいぶたってから、1人の男が同じ海辺にやってきました。
「ああ、なんとおだやかな、いい海だろう」
確かにその時、海は静かでした。
しかし、あのヒツジ飼いが、その人に向かって言いました。
「なあに、この海は、もっとナツメヤシの実が食いたいのですよ。だからわざと、おだやかなふりをしているのです」
このお話しは、不幸な出来事が人間にとって良い戒めになるという事を教えています。
有个牧羊人在海边让羊吃草,他望着没有波浪,平静的大海想:“比起放羊,用船做买卖好像更好。”
于是,他卖掉了全部羊,用那些钱买了椰枣,装船出海了。
不料,很快就刮起了大风暴,船将要沉下去,他只得把所装的货物椰枣全都抛到海里,才乘坐着空船幸免遇难。
很久之后,一个人来到了同一片海边。
他说:“啊,多么平静美丽的海啊!” 确实,那时候,大海是如此安静。
可是,牧羊人却对他说:“什么?是大海想要吃更多椰枣的果实了,所以才故意装得如此宁静。”
这故事告诉我们,不幸的事对人们来说,能成为很好的教训。