そんなある日のこと。
食事のときにだれかがポットを持ち上げた拍子に、床に落としてしまったのです。
ポットは床で音を立てて、粉々になってしまいました。
「それから私は、貧しい家の人にもらわれて行きましたの。そこで土を入れられ、球根を埋められましたわ。私は嬉しく思いました。なぜって球根は、私の体の中でグングンと元気に育ち、目を出したのです。そして、朝を、迎えるたびに大きくなり、ある朝見事な花が咲きましたの。花は娘のようなもの。まあ、お礼は申してくれませんでしたが、私は幸福でしたわ。家のひとたちは花を見て、その美しさをほめてくれました。だれかを生かすために自分の命を使うって、うれしいことです。そのとき初めてそう思いました。でも、家の人たちは『こんなきれいな花は、もっと素敵な植木鉢に植ええたほうがいいね』と、花を連れていき、私を庭の隅に放り投げましたの。でも、私をかわいそうなどと思わないでくださいね。ええ、私は思い出がたくさんあるのですから。これだけは、だれにも壊したり、放り投げたりできませんのよ。」
可是,有一天。
吃饭的时候,有人拿起茶壶,一不小心把茶壶掉到了地上。
茶壶发出很大声响,被摔碎了。
“后来我就被送给了穷人家。我的身体里面被装进了土。土里埋了一个球茎。我太高兴了。因为球茎在我的身体里茁壮成长,后来球茎发了芽。每天早晨它都会长得更高,终于有一天早上,球茎开出美丽的花。花就像我的女儿一样。虽然没有人感谢我,但我是幸福的。家里人看到花,都夸它开的美丽。用自己的生命培育别人,这是多么让人高兴的事。那时我第一次有了这种感觉。但是有一天家里的人说:‘这么漂亮的花,该换个好一些的花盆。’于是他们把花移走了,把我扔到了院子的角落。但是请不要可怜我。因为,我有很多回忆。只有回忆才是谁都无法破坏,无法夺走的。”