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「みにくいあひるの子」だった私65

时间: 2019-09-23    进入日语论坛
核心提示:父の誤算「パパ、私、うちを出たいの」好きな人とはできるだけ一緒にいたい。彼が住んでいる世田谷の一軒家に出入りし、私の持ち
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 父の誤算

「パパ、私、うちを出たいの」
好きな人とはできるだけ一緒にいたい。彼が住んでいる世田谷の一軒家に出入りし、私の持ち物も少しずつ運び込んでいたけど、もっとはっきりと同棲(どうせい)というかたちをとりたくて、父に申し出た。
父はテーブルをひっくり返すほどの怒(おこ)りようだった。彼と付き合うのさえ反対していたくらい。それが同棲すると言い出したのだから、もう大爆発。大げんかになった。
「でも、パパ、一緒に生活もしないで結婚までいって、はい、だめでした、なんてことになったら、戸籍(こせき)にキズがつくことになるじゃない。その前に少し一緒に住んで、やっていけるかどうか確かめたいの」
口から出まかせ、私も必死で食い下がった。いまなら、親の反対も理解できる。でも、そのときは頭の中が一つのことでいっぱい、ほかの要素なんて入る余裕(よゆう)はゼロだから、熱心に説得すればわかってもらえると本気で思っていた。
高校進学をやめると言ったときもそうだったけど、どんなに意見が食い違っても、他人に迷惑(めいわく)がかかることでなければ、父はいつだって、最後には私の言うとおりにさせてくれた。「勝手にしろ」というかたちで。このときもさんざん言い合ったけど、父にすれば、サジを投げた感じだった。
あとで聞いたら、父は私が絶対に三日以内に帰ってくると思っていたという。それが五年も続いてしまったのだから、大誤算(だいごさん)。
じつは、私は、この家を出たころのことについては、なにも記憶(きおく)にない。季節がいつだったのかもわからない。もっと小さいころのことでも詳(くわ)しく覚えているというのに……。それほどまでに余裕がなく、異常な精神状態におちいっていた。
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