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第19章 銀色の牝鹿 The Silver Doe(2)_ハリー・ポッターと死の秘宝_ハリー・ポッター_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:ふた晩、ほとんど寝ていなかったせいか、ハリーの感覚はいつもより研とぎ澄すまされていた。ゴドリックの谷から逃れはしたが、あ
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ふた晩、ほとんど寝ていなかったせいか、ハリーの感覚はいつもより研とぎ澄すまされていた。ゴドリックの谷から逃れはしたが、あまりにも際きわどいところだったために、ヴォルデモートの存在が前より身近に、より恐ろしいものに感じられた。その日も暮れかかったとき、見張りを交代するというハーマイオニーの申し出を断り、ハリーはハーマイオニーに寝るように促うながした。

ハリーは、テントの入口に古いクッションを持ち出して座り込んだが、ありったけのセーターを着込んだにもかかわらず、まだ震ふるえていた。刻こく一いっ刻こくと闇やみが濃くなり、とうとう何も見えないほど暗くなった。ハリーは、しばらくジニーの動きを眺ながめたくて「忍しのびの地ち図ず」を取り出そうとしたが、ジニーはクリスマス休暇きゅうかで「隠かくれ穴あな」に戻っていることに気づいた。

広大な森では、どんな小さな動きも拡大されるように思えた。森は、生き物で一杯だということはわかっている。でも、全部動かずに静かにしていてくれればいいのに、とハリーは思った。そうすれば、動物が走ったり徘徊はいかいしたりする無害な音と、ほかの不気味な動きを示す物音とを区別できる。ハリーは何年も前に、落ち葉の上を引きずるマントの音を聞いたことを思い出した。そのとたん、またその音を聞いたような気がしたが、頭の中から振ふり払った。自分たちのかけた保ほ護ご呪じゅ文もんは、ここ何週間もずっと有効だった。いまさら破やぶられるはずはないじゃないか しかし、今夜は何かが違うという感じを拭ぬぐいきれなかった。

ハリーはテントにもたれて、おかしな角度に体を曲げたまま寝込んでしまい、首が痛くなって何度かぐいと体を起こした。ビロードのような深い夜の帳とばりの中で、ハリーは、「姿すがたくらまし」と「姿現わし」の中間にぶら下がっているような気がした。そんなことになっていれば指は見えないはずだと思い、目の前に手をかざして見えるかどうかを確かめてみた、ちょうどそのときだ。

目の前に明るい銀色の光が現れ、木立の間を動いた。光の正体はわからないが、音もなく動いている。光は、ただハリーに向かって漂ただよってくるように見えた。

ハリーはぱっと立ち上がって、ハーマイオニーの杖つえを構えた。声が喉元のどもとで凍こおりついている。真っ黒な木立の輪郭りんかくの陰で、光は眩まばゆいばかりに輝かがやきはじめ、ハリーは目を細めた。その何物かは、ますます近づいてきた……。

そして、一本のナラの木の木陰から、光の正体が歩み出た。明るい月のように眩まぶしく輝く、白銀の牝鹿めじかだった。音もなく、新雪の粉雪に蹄ひづめの跡あとも残さず、牝鹿は一歩一歩進んできた。睫まつ毛げの長い大きな目をした美しい頭かしらをすっと上げ、ハリーに近づいてくる。

ハリーは呆然ぼうぜんとして牝鹿を見つめた。見知らぬ生き物だからではない。なぜかこの牝鹿を知っているような気がしたからだ。この牝鹿と会う約束をして、ずっと来るのを待っていたのに、いままでそのことを忘れていたような気がした。ついさっきまで、ハーマイオニーを呼ぼうとしていた強い衝動しょうどうは消えてしまった。間違いない。誰が何と言おうと、この牝鹿はハリーのところに、そしてハリーだけのところに来たのだ。

牝鹿めじかとハリーは、しばらく互いにじっと見つめ合った。それから、牝鹿は向きを変え、去りはじめた。

「行かないで」

ずっと黙だまっていたせいで、ハリーの声はかすれていた。

「戻ってきて」


    哈利两夜没怎么睡觉,感官似乎更加警觉了。戈德里克山 谷的死里逃生是那么惊险,伏地魔似乎比以前更近,威胁更大 了。夜幕再次降临,哈利拒绝让赫敏放哨,叫她去睡觉。
    哈利搬了个旧垫子坐到帐篷口,穿着他所有的毛衣,还是 冷得直打哆嗦。黑暗越来越浓,浓得几乎无法穿透。他正要取 出活点地图看一会儿金妮的黑点,这才想起今天是圣诞节,她 应该在陋居。
    在大森林中,每个细微的动静似乎都被放大了。哈利知道 林子里一定有许多动物,但他希望它们都保持安静,免得他把 它们无害的奔跑和蹑行声与其他预示危险的声音混在一起。他 想起多年前斗篷在枯叶上滑动的声音,马上觉得又听到了似的 ,赶紧抖搂精神。防护魔法这么多星期来一直有效,现在怎么 会不灵呢?然而他甩不掉一种感觉:今晚似乎有些异常。
    哈利几次猛然坐起,脖子僵硬发痛,因为他不知不觉歪靠 在帐篷壁上睡着了。夜色更加深沉,那是一种天鹅绒般的浓黑 ,他仿佛悬在幻影移形和幻影显形之间的境界。他正要把一只 手举到面前,试试能否看到五指时,奇事发生了。
    一点明亮的银光出现在他的正前方,在树林间穿行。不知 道光源是什么,但它的移动无声无息,那银光简直就像在向他 飘来。
    他跳了起来,举起赫敏的魔杖,声音在嗓子里冻结了。他 眯起眼睛,因为那银光已非常耀眼,前面的树丛都成了漆黑的 剪影,而那东西还在靠近……
    然后那光源从一棵橡树后面飘了出来,是一头银白色的牝 鹿,月光般皎洁明亮,优雅地轻踏地面,依然无声无息,细软 的白雪上没有留下丝毫蹄印。它朝他走来,高昂着美丽的头, 大眼睛,长睫毛。
    哈利盯着这个灵物,心中充满惊讶,不是因为它的奇异, 而是因为它那无法解释的熟悉和亲切。他觉得自己一直在等它 ,只是一度忘记了,现在才想起他们的约会。他想喊赫敏的冲 动刚才还如此强烈,可现在一下子消失了。他知道,并可以用 生命打赌,它是来找他的,是专门来找他的。
    他们对视了良久,然后它转身离去。
    “不。”他说,嗓子因为长时间不用而沙哑了,“回来! ”
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