ロンは救われたような顔をしたが、それでもまだきまりが悪そうだった。話題を変える意味もあって、ハリーが言った。
「ダンブルドアと言えば、スキーターがダンブルドアについて書いたこと、何か耳にしたか」
「ああ、聞いた」ロンが即座そくざに答えた。「みんな、ずいぶんその話をしてるよ。もち、状況が違えば、すっごいニュースだったろうな。ダンブルドアがグリンデルバルドと友達だったなんてさ。だけどいまは、ダンブルドアを嫌ってた連中が物笑いの種にしてるだけだよ。それと、ダンブルドアをすごくいいやつだと思ってた人にとっちゃ、ちょっと横面よこっつらを張られたみたいな。だけど、そんなにたいした問題じゃないと思うな。だって、二人は、ダンブルドアがほんとに若いときに――」
「僕たちの年と齢しだ」ハリーは、ハーマイオニーに言い返したと同じように言った。そして、ハリーの表情には、ロンに、この話題を続けないほうがいいと思わせる何かがあった。
クロイチゴの茂みに凍こおったクモの巣があり、その真ん中に大きなクモがいた。ハリーは、前の晩にロンからもらった杖つえでクモに狙ねらいを定めた。畏おそれ多くもハーマイオニーが、あれから調べてくれた結果、リンボクの木でできていると判断してくれた杖だ。
「エンゴージオ 肥大ひだいせよ」クモはちょっと震え、巣の上で少し跳ねた。ハリーは、もう一度やってみた。こんどはクモが少し大きくなった。
「やめてくれ」ロンが鋭い声を出した。「ダンブルドアが若かったって言って、悪かったよ。もういいだろう」
ハリーは、ロンがクモ嫌いなのを忘れていた。
「ごめん――レデュシオ 縮め」
クモは縮まない。ハリーは、あらためてリンボクの杖を見た。その日に試してみた簡単な呪じゅ文もんのどれもが、不ふ死し鳥ちょうの杖に比べて効きが弱いような気がした。新しい杖は、出しゃばりで違い和わ感かんがあった。自分の腕に�