「これは、絶対に大事なことなのよ」ハーマイオニーが熱を込めた。
「でも、もしそうなら、ダンブルドアが、死ぬ前に僕に教えてくれていたと思わないか」
「もしかしたら……もしかしたら、それは、自分で見つけなければいけないことなのじゃないかしら」
ハーマイオニーの言葉の端はしに、藁わらにもすがる思いがにじんでいた。
「なるほど」ロンがへつらうように言った。「それで辻つじ褄つまが合う」
「合わないわ」ハーマイオニーがぴしゃりと言った。「でも、やっぱりラブグッドさんと話すべきだと思うの。ダンブルドアとグリンデルバルドとゴドリックの谷を結ぶ、シンボルでしょう ハリー、間違いないわ。私たち、これについて知るべきなのよ」
「多数決で決めるべきだな」ロンが言った。「ラブグッドに会うことに賛成の人――」
ロンの手のほうが、ハーマイオニーより早く挙がった。ハーマイオニーは手を挙げながら、疑わしげに唇くちびるをひくひくさせた。
「ハリー、多数決だ。悪いな」ロンはハリーの背中をパンと叩たたいた。
「わかったよ」ハリーはおかしさ半分、いらだち半分だった。「ただし、ラブグッドに会ったら、そのあとは、ほかの分ぶん霊れい箱ばこを見つける努力をしよう。いいね ところでラブグッドたちは、どこに住んでるんだ 君たち、知ってるのか」
「ああ、僕のうちから、そう遠くない所だ」ロンが言った。「正確にはどこだか知らないけど、パパやママが、あの二人のことを話すときは、いつも丘のほうを指差していた。そんなに苦労しなくても見つかるだろ」
ハーマイオニーがベッドに戻ってから、ハリーは声を低くして言った。
「ハーマイオニーの機嫌きげんを取りたいから、賛成しただけなんだろう」
「恋愛と戦争では、すべてが許される」ロンが朗ほがらかに言った。「それに、この場合は両方少しずつだ。元気出せ。クリスマス休暇きゅうかだから、ルーナは家にいるぜ」