ロンは口をあんぐり開けた。
「おっどろきー……だけど、ダンブルドアが壊こわしたのなら、まだ効き目があるかなぁ――」
「効き目 効き目ですって ロン、一度も効いたことなんかないのよ 『蘇りの石』なんていうものはないの」
ハーマイオニーは、いらだちと怒りを顔に出して、勢いよく立ち上がった。
「ハリー、あなたは何もかも『秘宝』の話に当てはめようとしているわ――」
「何もかも当てはめる」ハリーが繰り返した。「ハーマイオニー、自然に当てはまるんだ あの石に『死しの秘宝ひほう』の印があったに決まってる ゴーントはペベレルの子孫だって言ったんだ」
「ついさっき、石の紋章もんしょうをちゃんと見なかったって、言ったじゃない」
「その指輪、いまどこにあると思う」ロンがハリーに聞いた。「ダンブルドアは、指輪を割ったあと、どうしたのかなぁ」
しかしハリーの頭の中は、ロンやハーマイオニーよりずっと先を走っていた……。
三つの品、つまり「秘宝」は、もし三つを集められれば、持ち主は死を制する者となるだろう……制する者……征せい服ふく者しゃ……勝者……最いや後はての敵なる死もまた亡ほろぼされん……。
そしてハリーは、「秘宝」を所有するものとして、ヴォルデモートに対決する自分の姿を想い浮かべた。分ぶん霊れい箱ばこは秘宝には敵かなわない……一方が生きるかぎり、他方は生きられぬ……これがその答えだろうか 秘宝対分霊箱 ハリーが最後に勝利者になる確実な方法があった、ということなのだろうか「死の秘宝」の持ち主になれば、ハリーは安全なのだろうか
「ハリー」
しかしハリーは、ハーマイオニーの声をほとんど聞いていなかった。「透とう明めいマント」を引っ張り出し、指の間を滑すべらせた。水のように柔軟じゅうなんで、空気のように軽い布だ。魔法界に入ってほぼ七年の間、これと同じ物は見たことがない。この「マント」はゼノフィリウスが説明したとおりの品だ。本物のマントは、着ると間違いなく完全に透明にしてくれるし、永久に長持ちする。どんな呪じゅ文もんをかけても見通せないし、いつでも間違いなく隠してくれる。
そのときハリーは、思わず息を呑のんだ。思い出したことがある――。
「ダンブルドアが、僕の『マント』を持っていた 僕の両親が死んだ夜に」
ハリーは声が震え、顔に血が上るのを感じたが、かまうものかと思った。
「母さんが、シリウスにそう教えてた。ダンブルドアが『マント』を借りてるって なぜ借りたのかがわかった ダンブルドアは調べたかったんだ。三番目の『秘宝』じゃないか、と思ったから イグノタス・ペベレルは、ゴドリックの谷に埋まい葬そうされている……」
ハリーはテントの中を無意識に歩き回っていた。真実の広大な展てん望ぼうが、新しく目の前に開けてきたような感じがした。
「イグノタスは僕の先祖せんぞだ 僕は三番目の弟の子孫なんだ それで全部辻つじ褄つまが合う」
罗恩张大了嘴巴:“我的天哪——但是被邓布利多打坏了 ,还会有效吗——?”