「……しばらく放送を中断していたことをお詫わびします。お節せっ介かいな死し喰くい人びとたちが、我々のいる地域ちいきで何軒も戸こ別べつ訪ほう問もんしてくれたせいなのです」
「ねえ、これ、リー・ジョーダンだわ」
「そうなんだよ」ロンがにっこりした。「かっこいいだろ ねっ」
「……現在、安全な別の場所が見つかりました」リーが話していた。「そして、今晩は、うれしいことに、レギュラーのレポーターのお二人を番組にお迎えしています。レポーターの皆さん、こんばんは」
「やあ」
「こんばんは、リバー」
「『リバー』、それ、リーだよ」ロンが説明した。「みんな暗号名を持ってるんだけど、たいがいは誰だかわかる――」
「シーッ」ハーマイオニーが黙だまらせた。
「ロイヤルとロムルスのお二人の話を聞く前に」リーが話し続けた。「ここで悲しいお報しらせがあります。『・魔法ラジオネットワークニュース』や『日にっ刊かん予よ言げん者しゃ』が報ほう道どうする価値もないとしたお報せです。ラジオをお聞きの皆さんに、謹つつしんでお報せいたします。残念ながら、テッド・トンクスとダーク・クレスウェルが殺害されました」
ハリーは胃がザワッとした。三人はぞっとして顔を見合わせた。
「ゴルヌックという名の小ゴブ鬼リンも殺されました。トンクス、クレスウェル、ゴルヌックと一いっ緒しょに旅をしていたと思われるマグル生まれのディーン・トーマスともう一人の小鬼は、難を逃れた模様もようです。ディーンがこの放送を聞いていたら、またはディーンの所しょ在ざいに関して何かご存知ぞんじの方、親御おやごさんと姉妹の方々が必死に情報じょうほうを求めていらっしゃいます」
「一方、ガッドリーでは、マグルの五人家族が、自宅で死亡しているのが発見されました。マグルの政府は、ガス漏もれによる事故死と見ていますが、騎き士し団だんからの情報じょうほうによりますと、『死しの呪じゅ文もん』によるものだとのことです――マグル殺しが新しん政せい権けんのレクリエーション並みになっているという実じっ態たいについては、いまさら証拠しょうこは無用ですが、さらなる証拠が上がったということでしょう」
「最後に、たいへん残念なお報しらせです。バチルダ・バグショットの亡なき骸がらがゴドリックの谷で見つかりました。数か月前にすでに死亡していたと見られます。騎士団の情報によりますと、遺体いたいには、『闇やみの魔術まじゅつ』によって傷害しょうがいを受けた、まぎれもない跡あとがあるとのことです」
「ラジオをお聞きの皆さん、テッド・トンクス、ダーク・クレスウェル、バチルダ・バグショット、ゴルヌックに、そして死し喰くい人びとに殺された名前のわからないマグルのご一家に対しても、同じく哀あい悼とうの意を表して、お亡なくなりになった皆様のために、一分間の黙もく祷とうを捧ささげたいと思います。黙祷……」