「では、ロムルス、もしハリーがこの放送を聞いていたら、何と言いたいですか」
「我々は全員、心はハリーとともにある、そう言いたいですね」
ルーピンはそのあとに、少し躊躇ちゅうちょしながらつけ加えた。
「それから、こうも言いたい。自分の直感に従え。それはよいことだし、ほとんど常に正しい」
ハリーはハーマイオニーを見た。ハーマイオニーの目に涙が溜たまっていた。
「ほとんど常に正しい」ハーマイオニーが繰り返した。
「あっ、僕言わなかったっけ」ロンがすっとんきょうな声を上げた。「ビルに聞いたけど、ルーピンは、またトンクスと一いっ緒しょに暮らしているって それにトンクスは、かなりお腹なかが大きくなってきたらしいよ」
「……ではいつものように、ハリー・ポッターに忠実であるがために被害を受けている、友人たちの近況きんきょうはどうですか」リーが話を続けていた。
「そうですね、この番組をいつもお聞きの方にはもうおわかりのことでしょうが、ハリー・ポッターをもっとも大だい胆たんに支持してきた人々が数人、投とう獄ごくされました。たとえばゼノフィリウス・ラブグッド、かつての『ザ・クィブラー』編へん集しゅう長ちょうなどですが――」ルーピンが言った。
「少なくとも生きてる」ロンがつぶやいた。
「さらに、つい数時間前に聞いたことですが、ルビウス・ハグリッド――」
三人はそろってハッと息を呑のみ、そのためにそのあとの言葉を聞き逃すところだった。
「――ホグワーツ校の名物森もり番ばんですが、構内で逮捕たいほされかけました。自分の小屋で『ハリー・ポッター応援』パーティを開いたとの噂うわさです。しかし、ハグリッドは拘こう束そくされませんでした。逃とう亡ぼう中だと思われます」
「死し喰くい人びとから逃れるときに、五メートルもある巨人の弟と一いっ緒しょなら、役に立つでしょうね」
「たしかに有利になると言えるでしょうね」ルーピンがまじめに同意した。「さらにつけ加えますが、『ポッターウオッチ』としてはハグリッドの心意気に喝かっ采さいしますが、どんなに熱心なハリーの支持者であっても、ハグリッドのまねはしないようにと強く忠告ちゅうこくします。いまのご時世じせいでは、『ハリー・ポッター応援』パーティは賢けん明めいとは言えない」
「まったくそのとおりですね、ロムルス」リーが言った。「そこで我々は、稲いな妻ずま形がたの傷きず痕あとを持つ青年への変わらぬ献けん身しんを示すために、『ポッターウオッチ』を聞き続けてはいかがでしょう さてそれでは、ハリー・ポッターと同じぐらい見つかりにくいとされている、あの魔法使いについてのニュースに移りましょう。ここでは『親おや玉だま死し喰くい人びと』と呼称こしょうしたいと思います。彼を取り巻く異常な噂うわさのいくつかについて、ご意見をうかがうのは、新しい特とく派は員いんのローデンねずトみです。ご紹介しょうかいしましょう」