「うん」ネビルが言った。「それで僕はこうなったのさ」
ネビルは、頬ほおのとくに深い切り傷きずを指差した。
「僕がそんなことはやらないって言ったから。でも、はまってるやつもいる。クラッブとゴイルなんか、喜んでやってるよ。たぶん、あいつらが一番になったのは、これが初めてじゃないかな」
「妹のアレクトのほうはマグル学を教えていて、これは必須ひっす科目かもく。僕たち全員があいつの講こう義ぎを聞かないといけないんだ。マグルは獣けだものだ、間抜けで汚い、魔法使いにひどい仕打ちをして追い立て、隠れさせたとか、自然の秩ちつ序じょがいま再構築されつつある、なんてさ。この傷は――」
ネビルは、もう一つの顔の切り傷を指した。
「アレクトに質問したら、やられた。おまえにもアミカスにも、どのくらいマグルの血が流れてるかって、聞いてやったんだ」
「おっどろいたなぁ、ネビル」ロンが言った。「気の利きいた科白せりふは、時と場所を選んで言うもんだ」
「君は、あいつの言うことを聞いてないから」ネビルが言った。「君だってきっと我慢がまんできなかったよ。それより、あいつらに抵てい抗こうして誰かが立ち上がるのは、いいことなんだ。それがみんなに希望を与える。僕はね、ハリー、君がそうするのを見て、それに気づいていたんだ」
「だけど、あいつらに包ほう丁ちょう研とぎ代わりに使われっちまったな」
ちょうどランプのそばを通り、ネビルの傷きず痕あとがくっきりと浮き彫りにされて、ロンは少し、たじろぎながら言った。
ネビルは肩をすくめた。
「かまわないさ。あいつらは純血じゅんけつの血をあまり流したくないから、口がすぎればちょっと痛い目を見させるけど、僕たちを殺しはしない」
ネビルの話している内容のひどさと、それがごく当たり前だというネビルの話の調子と、どちらがより嘆なげかわしいのかハリーにはわか