「本当に危ないのは、学校の外で友達とか家族が問題を起こしている生徒たちなんだ。そういう子たちは、人質に取られている。あのゼノ・ラブグッドは『ザ・クィブラー』でちょっとずばずば言いすぎたから、クリスマス休暇きゅうかで帰る途中の汽車で、ルーナが引っ張っていかれた」
「ネビル、ルーナは大丈夫だ。僕たちルーナに会った――」
「うん、知ってる。ルーナがうまくメッセージを送ってくれたから」
ネビルは、ポケットから金貨を取り出した。ハリーは、それがダンブルドア軍団の連れん絡らくに使った偽にせのガリオン金貨だと、すぐわかった。
「これ、すごかったよ」
ネビルはハーマイオニーに、にっこりと笑顔を向けた。
「カロー兄妹きょうだいは、僕たちがどうやって連れん絡らくし合うのか全然見破れなくて、頭に来てたよ。僕たち、夜にこっそり抜け出して、『ダンブルドア軍団、まだ募ぼ集しゅう中ちゅう』とか、いろいろ壁かべに落書きしていたんだ。スネイプは、それが気に入らなくてさ」
「していた」ハリーは、過去形なのに気づいた。
「うーん、だんだん難しくなってきてね」ネビルが言った。「クリスマスにはルーナがいなくなったし、ジニーはイースターのあと、戻ってこなかった。僕たち三人が、リーダーみたいなものだったんだ。カロー兄妹は、事件の陰に僕がいるって知ってたみたいで、だから僕を厳きびしく抑えにかかった。それから、マイケル・コーナーが、やつらに鎖くさりでつながれた一年生を一人解とき放はなしてやっているところを捕まって、ずいぶんひどく痛めつけられた。それで、みんな震え上がったんだ」
「マジかよ」上り坂になってきたトンネルを歩きながら、ロンがつぶやいた。
「ああ、でもね、みんなにマイケルみたいな目に遭あってくれ、なんて頼めないから、そういう目立つことはやめた。でも、僕たち戦い続けたんだ。地下運動に変えて、二週間前まではね。ところが、あいつらとうとう、僕にやめさせる道は一つしかないと思ったんだろうな。それで、ばあちゃんを捕まえようとした」