「レイブンクロー生、続いて」マクゴナガル教授が声を張り上げた。
四つのテーブルから次第に生徒がいなくなった。スリザリンのテーブルには完全に誰もいなくなったが、レイブンクロー生が列をなして出ていったあとには、高学年の生徒の何人かが残ったし、ハッフルパフのテーブルにはさらに多くの生徒が残った。グリフィンドール生は大半が席に残り、マクゴナガル教授が壇だんから降おりて、未成年のグリフィンドール生を追い立てなければならなかった。
「絶対にいけません、クリービー、行きなさい ピークス、あなたもです」
ハリーは、グリフィンドールのテーブルにまとまっているウィーズリー一家のところに急いだ。
「ロンとハーマイオニーは」
「見つからなかったのか――」ウィーズリーおじさんが心配そうな顔をした。
しかし、おじさんの言葉はそこで途切れた。キングズリーが壇だんに進み出て、残った生徒たちに説明をはじめたのだ。
「午前時まであと三十分しかない。素早く行動せねばならない ホグワーツの教きょう授じゅ陣じんと不ふ死し鳥ちょうの騎き士し団だんとの間で戦略せんりゃくの合意ができている。フリットウィック、スプラウトの両先生とマクゴナガル先生は、戦う者たちのグループをもっとも高い三つの塔とうに連れていく――レイブンクローの塔、天てん文もん台だい、そしてグリフィンドールの塔だ――見通しがよく、呪じゅ文もんをかけるには最高の場所だ。一方、リーマスと――」キングズリーは、ルーピンを指した。「アーサー」こんどは、グリフィンドールのテーブルにいるウィーズリーおじさんを指した。「そして私の三人だが、いくつかのグループを連れて校庭に出る。さらに、外への抜け道だが、学校側の入口の防ぼう衛えいを組織する人間が必要だ――」
「――どうやら俺おれたちの出番だぜ」
フレッドが、自分とジョージを指差して言った。キングズリーがうなずいて同意した。
「よし、リーダーたちはここに集まってくれ。軍隊を分ける」