「俺様のイチイの杖は、セブルス、何でも俺様の言うがままに事をなした。ハリー・ポッターを亡き者にする以外はな。あの杖は二度もしくじりおった。オリバンダーを拷問ごうもんしたところ、双子ふたごの芯しんのことを吐はき、別な杖を使うようにと言いおった。俺様はそのようにした。しかし、ルシウスめの杖は、ポッターの杖に出会って砕くだけた」
「我輩わがはい――私めには、わが君、説明できません」
スネイプはもう、ヴォルデモートを見てはいなかった。暗い目は、守られた球体の中でとぐろを巻く大蛇だいじゃを見つめたままだった。
「俺様は、三本目の杖を求めたのだ、セブルス。ニワトコの杖、宿命しゅくめいの杖、死の杖だ。前の持ち主から、俺様はそれを奪うばった。アルバス・ダンブルドアの墓からそれを奪ったのだ」
再びヴォルデモートを見たスネイプの顔は、デスマスクのようだった。大だい理り石せきのように白く、まったく動かなかった。その顔がしゃべったとき、虚うつろな両目の裏うらに生きた人間がいることが衝しょう撃げき的てきだった。
「わが君――小僧を探しにいかせてください――」
「この長い夜、俺様が間もなく勝利しようという今夜、俺様はここに座り――」
ヴォルデモートの声は、ほとんど囁ささやき声だった。
「考えに考え抜いた。なぜこのニワトコの杖は、あるべき本来の杖になることを拒こばむのか、なぜ伝説どおりに、正当な所有者に対して行うべき技を行わないのか……そして、俺様はどうやら答えを得た」
スネイプは無言だった。
“我的那根紫杉木魔杖对我百依百顺,西弗勒斯,可就是 没能杀死哈利·波特。两次都失败了。奥利凡德在酷刑之下告 诉了我孪生杖芯的事,叫我使用别人的魔杖。我这么做了,可 是,卢修斯的魔杖一遇到波特的魔杖就成了碎片。”
“我——我也不明白,主人。”
斯内普此刻没有看着伏地魔。他那双黑眼睛仍然盯着保护 球里盘绕扭动的大蛇。
“我寻找到第三根魔杖,西弗勒斯。老魔杖,命运杖,死 亡棒。我从它的前任主人那里把它拿来了。我从阿不思。邓布 利多的坟墓里把它拿来了。”
现在斯内普看着伏地魔了,斯内普的脸像一张死人面具, 像大理石一样惨白、凝固。他开口说话时令人大吃一惊,没想 到那双空洞的眼睛后面居然是个活人。
“主人——让我去找那个男孩——”
“整个漫漫长夜,眼看到了胜利的边缘,我却坐在这里, ”伏地魔说,声音几近耳语,“想啊,想啊,为什么老魔杖不 肯发挥它的本领,不肯像传说中那样为它的合法主人创造奇迹 ……现在我似乎有了答案。”
斯内普没有说话。