ロンもハーマイオニーも、ハリーを見て強く首を振ふった。
「耳を貸すな」ロンが言った。
「大丈夫よ」ハーマイオニーが激はげしい口調で言った。
「さあ――さあ、城に戻りましょう。あの人が森に行ったのなら、計画を練り直す必要があるわ――」
ハーマイオニーはスネイプの亡なき骸がらをちらりと見て、それからトンネルの入口へと急いだ。ロンもあとに続いた。ハリーは「透とう明めいマント」を手た繰ぐり寄せ、スネイプを見下ろした。どう感じていいのかわからなかった。ただ、スネイプの殺され方と殺された理由とに、衝撃しょうげきを受けていた……。
三人はトンネルを這はって戻った。誰も口をきかなかった。しかしハリーの頭の中には、ヴォルデモートの声がまだ響いていた。ロンもハーマイオニーも、そうなのではないかと思った。
おまえは俺様に立ち向かうどころか、友人たちがおまえのために死ぬことを許した。俺様はこれから一時間、『禁じられた森』で待つ……一時間だ……。
城の前の芝生に、小さな包みのような塊かたまりがいくつも散らばっていた。夜明けまで、あと一時間ぐらいだろうか。しかし、あたりは真っ暗だった。三人は入口の石段へと急いだ。小舟ほどもある木靴きぐつの片方が石段の前に転がっていたが、それ以外にはグロウプも、攻こう撃げきを仕し掛かけてきた相手の巨人も、何の痕こん跡せきもなかった。
城は異常に静かだった。いまは閃せん光こうも見えず、衝しょう撃げき音おんも、悲鳴も叫さけびも聞こえない。誰もいない玄げん関かんホールの敷しき石いしは血に染まっている。大だい理り石せきのかけらや裂さけた木片に混じって、エメラルドが床一面に散らばったままだ。階段の手すりの一部が吹き飛ばされていた。
「みんなはどこかしら」ハーマイオニーが小声で言った。
ロンが先に立って大おお広ひろ間まに入った。ハリ�"title">