日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 吉行淳之介 » 正文

贋食物誌30

时间: 2018-12-08    进入日语论坛
核心提示:    30 鯖(さば)㈪ 千葉鴨川のコンドウの家へはじめて行ったのは、三十歳くらいのときだったか。 そのとき、食卓にサバ
(单词翻译:双击或拖选)
     30 鯖(さば)㈪
 
 
 千葉鴨川のコンドウの家へはじめて行ったのは、三十歳くらいのときだったか。
 そのとき、食卓にサバの塩焼きが出て、私はすこぶる奇妙な気分がした。東京育ちの身としては、サバはシメサバとか味噌煮のほかは食べたことがなかった。
 もともと私はサバは嫌いではないが、苦手な魚である。
※[#歌記号]青きはサバの肌にして、
黒きは人の心なり。
 とか、その正確さは保証しないが、そういうナニワ節の文句がある。
 青い魚は、健康人でもときどきジンマシンを起す。私にとっては、こわい魚である。ところが、コンケイ宅で食べた塩焼きは、別の種類の魚としかおもえなかった。
 海のそばの土地の獲れたばかりのサバやアジやカワハギの旨さは、東京では味わえない。
 千葉からコンドウが上京してくるときの列車に、話を戻す。
 グリーン車にコンドウが乗っていると、三人連れの男たちが彼のボックスに坐った。グリーン車は、座席指定である。
 一番年上の中年男は、律義な商店主という風貌である。三十年配の男は大学出の会社員風、二十すこし過ぎの若い男がややガラがわるいとみえたが、気にもしないで新聞を読んでいた。
 そこへ、一人の男がきて、切符を出してみせながら、
「この席は、わたしのですが」
 と言う。
 三人とも、黙っている。男は重ねて、
「どいてくれませんか」
 そのとき、会社員風が威勢のよいタンカを切った。
「なにをっ、てめえ」
 以下、こういうタンカの文句を私はよくわきまえないのだが、要するに殴り飛ばされたくないのなら、とっとと立去ってしまえ、という意味のことである。その男は、驚いて逃げてしまった。
 そのとき、年上の男が、すこぶるおだやかなゆっくりした口調で、
「それだから、おまえたちはダメなんだ」
 と、たしなめて、どこそこ組の何某を見ならえ、という話題になった。
 その何某は、平素とまったく違わない態度で名古屋まで行き、人を一人刺し殺してきたではないか。
 ようやく、ヤクザの親分とわかったが、その親分は訓戒を垂れながら、チラとコンケイの顔をみる。
 こわいのでおもわずお世辞笑いをしかかるが、うっかり笑うと、「なにがオカしいんだ」といわれそうな気がする。いそいで新聞に目をおとすのだが、さっきから読みつづけていた新聞をいつまでも眺めているのも不自然になってきた。
 困ったことに、カバンには本も雑誌も入っていない。親分の視線をしばしば感じて、どういう顔をしてよいものか閉口した。
 コンドウは、堅気にはみえない。千葉あたりの親分衆の感じに近いところもある。そのことに自分で気付いて、その親分が子分の不始末を同業者に弁解しているのか、とも考えたそうだ。
 とにかく、その親分はまったくヤクザにはみえなかったそうで、世間にはどこにどういう人物がいるか分からない。
「やっぱり、徹底的にヨワイに限る」
 という感想が、その車中でコンケイの頭に浮んできた、という。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%