返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 正文

食物ことわざ事典173

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:酒の燗は人肌 食べものの温度は、味覚にいちじるしい影響を及ぼします。私たちの舌の感覚は二〇〜四〇度Cの範囲でもっとも敏感
(单词翻译:双击或拖选)
酒の燗は人肌

 食べものの温度は、味覚にいちじるしい影響を及ぼします。私たちの舌の感覚は二〇〜四〇度Cの範囲でもっとも敏感にはたらき、温度がこれより上がっても下がっても感度は鈍くなります。ことに甘・苦・塩の三味は温度に左右されることが大きく、常温から○度Cに冷たくすると、苦味は約三〇分の一、塩味は約五分の一、甘味は約四分の一に減ります。酸味は割合影響が少なく、二〇%減るにすぎません。温度を上げた場合も、これとほぼ同じような変化を示し、とくに甘味は五〇度C以上になると、いちじるしく鈍感になります。
温かい冷たいの温度感覚は私たちの体温をわかれ道とするもので、食べものの温度が体温に近いものほど生温かく不快感をおぼえ、これよりも冷たいか温かいほうが快く感じられます。一般に酸味は冷たくしたほうがおいしく感じられ、うま味の濃厚なものは温かいほうがおいしさを増します。食べものの適温は、だいたい体温を基準として| ± 《プラスマイナス》二五〜三〇度Cの範囲内にあります。また、同じ食べものでも、味わうときの気温によって、調理をくふうし、温度を調節しないと、それほどおいしいとは感じられません。
魚一つを例にとっても、夏はさっぱりとした洗いや刺身、塩焼きが好まれるのに、秋から冬にかけ寒さがきびしくなると、つけ焼きや水炊き、みそ漬け……といったぐあいに、温かなもの、濃厚な味わいのものが、いちだんとおいしく、好ましいものになってきます。
茶の湯を大成させた千利休は、茶の湯の極意を尋ねられたとき、「夏はいかにも涼しきやうに、冬はいかにもあたたかなるやうに」と答えたと言われますが、気温と食べものを味わう際の温度は、とりわけ関係が深いようです。
いと遠き風もまじりつ戸外なる 落葉聞えてわが酒ぞ煮ゆ 若山牧水
日本酒はとりわけ温度をたいせつにし、お燗のよしあしによって、酒のうまさに差が出てくるほどです。いかに山海の珍味を並べられても、出された酒がまずいと箸取る手も鈍ります。
その点、よくはやる料亭や飲み屋のお燗はさすがにほどを得ていて、「ウン、ナルホド」と感心させます。もっとも、お燗の温度は、人の好みや季節の温度、酒のよしあしによって微妙な差異があるので、いちがいに何度ということはできません。「温燗《ぬるかん》、上燗《じようかん》、熱燗《あつかん》」などという別のあるのもそのためで、左党の通人にいわせると、温燗は四〇度C前後、上燗は五〇度C、熱燗は五五度C〜六〇度Cの範囲だそうで、よいお酒ほど温燗にするのが|きまり《ヽヽヽ》だ、とのご託宣。そんなわけで、人肌はよいお酒を飲む際の目安になります。
近ごろ夏になると冷用酒などといって、燗をせずに飲む酒が現われていますが、これは燗酒を冷で飲むのではなく、初めから冷で飲むように醸造にくふうを加えたものです。しかし、清酒はやっぱりお燗をして飲むほうがうまい。
熱燗や状書きさしてとりあへず 万太郎
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%