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食物ことわざ事典183

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:塩辛食おうとて水を飲む 塩辛を食べればのどがかわくからと、前もって水を飲むことで、手回しのよいのもことと場合によります。
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塩辛食おうとて水を飲む

 塩辛を食べればのどがかわくからと、前もって水を飲むことで、手回しのよいのもことと場合によります。日本酒に塩辛のピッタリするのはどなたもすでにご存知のことです。「これさえあれば他の料理など余り問題ではない」と惚《ほ》れ込んでいる左党もいるくらいで、
雲丹が未だ残って居ると徳利振り
面当《つらあて》に酒盗《しゆとう》を出して余計呑まれ
塩辛が呑ませたやうに嬶《かか》にいひ
などとすっぱ抜かれ、塩辛と左党の因縁浅からぬ仲をしのばせてくれます。
塩辛は日本独特の塩蔵品で、世界にもあまり類を見ない食品です。文字通り塩辛いので「塩辛」と名づけたのでしょうが、一種の塩漬けなのですから、イカの塩漬けとかカツオの|はらわた《ヽヽヽヽ》漬けと呼びそうなものなのに、漬けものとして召し上がる以上の塩を使って漬け込むため、そのものズバリの名を付けたのでしょう。塩辛は確かに酒の味をよくし、知らず知らずのうちに酒量を過ごすもので、「酒盗」という名も、塩辛の性質をズバリ言い当てています。
塩辛の材料としておなじみのものは、まずなんと言ってもカツオ、それにイカ、タイでしょう。このほか、エビ、ハマグリ、カキ、アワビ、アユウルカ、アミ、スジコ、コノワタなどがあります。鳥類の塩辛も古くから行なわれ、ツグミ、シギ、ハト、ニワトリなどがあります。もっとも鳥を材料とした塩辛は食べなれるまで、かなり好き嫌いのはげしいものだけに、はじめはちょっぴり出すほうが賢明でしょう。
以上、あげた例でもおわかりのように、塩辛の材料は、いずれも個性味の強いもので、この個性味が塩味となれ合って、塩辛をいっそうおいしいものにしてくれます。
本場土佐で「酒盗」の名で親しまれるカツオの塩辛は、カツオ節製造の副産物として生まれたもので、もっぱら酒量の多い左党のサカナとして喜ばれます。
ご家庭で比較的簡単にできる塩辛としては、イカが一番ですが、鮮度のよい刺身イカが手にはいったら、スミ袋を破らないように足といっしょにワタを引き抜きます。そうして足のつけ根の部分に切り目を入れて開き、クチバシと目玉を取り除き、肝《きも》以外のワタは捨て、水洗いし、薄い膜からしごくようにして広口びんか小瓶《こがめ》に入れ、ワタ一個に大さじ一杯の割で塩を入れ、よくかきまぜます。一枚に開いた身のほうは薄皮をきれいにむいて、水気をよく拭き取り、タテに包丁して小口から一センチ幅程度に切り、びんに入れ、乾いた箸でよくかきまぜ、冬場でしたら、ゆず皮の細切り、またタネを抜いて細切りした唐がらしを適量加えると、味わいが深まります。日に何度かかきまぜ、四、五日すると、ちょうど食べごろのあんばいとなります。
できあいのものより、自分の家でこうして心をこめて作ったもののほうがおいしく、不意のお客さまのときにも、酒のサカナとして喜ばれます。
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