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食物ことわざ事典189

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:鮨の辛味は山葵にかぎる そばに七味とうがらし、おでんにはかきがらし、ウナギのかば焼きには粉ざんしょう、と言ったぐあいに、
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鮨の辛味は山葵にかぎる

 そばに七味とうがらし、おでんにはかきがらし、ウナギのかば焼きには粉ざんしょう、と言ったぐあいに、日本料理にはそれぞれの料理に合った、辛味というものがあります。その点で、刺身・酢のもの・洗いなどの|なまもの《ヽヽヽヽ》には、わさびがピッタリします。
すしでは、マグロ・光り(青い光を放つ魚の類で、サバ、イワシなど。すしではコハダ・キスなどをさす)・貝などの|なまもの《ヽヽヽヽ》にはあらかたわさびを使っています。
関西ずしで薬味といえば、ただ単にしょうがぐらいのものですが、江戸前の握《にぎ》りずしとなると、一口食べたとき、わさびの辛味がツーンと真一文字に鼻に抜けるところに握りずしの本領が発揮されます。もののたとえに「わさびがきいている」と言いますが、もし「|さび《ヽヽ》抜き」の握りだったら、まことに味気ないすしになってしまいます。
すしに使うわさびには、大別すると、「すりさび」と「練りさび」の二種があります。すりさびは生わさびをすし職人が、その場で丹念にすりおろしたものです。一方の練りさびは、粉わさびを冷たい水でといたもので、近ごろはやりの五〇円ずしは、ほとんど練りさびを使っています。
すりさびは、わさび特有の香り・色・辛味に、わずかながら甘味もふくまれ、味はグンとすぐれていますが値段のほうもめっぽう高い。客の顔を見てからわさびをおろすような店なら、まずうまいすしを握ってくれる店とみてまちがいありません。
ところで、|とろ《ヽヽ》でも|てっか《ヽヽヽ》でも辛味はわさびにかぎるのは、どうしてでしょう。
魚にはそれぞれ特有のなま臭味があって、その臭味がいちじに口中に広がり、すぐに消えていくのもあるし、魚によっては、なま臭味がジワリ出てきて長く口中に残るものもあります。マグロの|とろ《ヽヽ》やタイの刺身などは、なま臭味がいちどに強くきますが、比較的早く薄れてもゆきます。辛味も自然これと合うものでないといけません。|とろ《ヽヽ》のなま臭味とわさびの辛味の曲線は、時間的におおよそ平行して口中で消えていくので、相性がよいわけですが、同じ薬味だからといって、わさびの代わりに|とうがらし《ヽヽヽヽヽ》でも用いようものなら、うまいとろの味が消えているのに、辛味だけが執念深く残って、せっかくのうま味も、とうがらしの辛い後味によって打ち消されてしまいます。
そんなわけで、なまものをたねの握りずしにはもっぱらわさびが用いられます。店によっては、客の顔を見てからわさびをおろしてくれます。判ってくれる客なら、それこそ|さび《ヽヽ》のきいた客と言えましょうが、鈍感な客でしたら、おろし損です。ところが「女房を質に置いても……」と、江戸っ子に騒がれたカツオばかりは例外で、すしにしろ、さしみにしろ、辛味は|しょうが《ヽヽヽヽ》か|からし《ヽヽヽ》でなくてはいけません。わさびはなまものの辛味以外に、魚の毒消しの役目も担《にな》っている——と言いますが、そこまでわさびをかつぎ出すとなると、せっかくのわさびの風味も、ありがたみが薄れてしまいます。
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