返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 正文

食物ことわざ事典190

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:鮨は小鰭に止めを刺す このことわざの生い立ちについては、いろんな説があります。『すし通』という古書によれば、江戸末期にす
(单词翻译:双击或拖选)
鮨は小鰭に止めを刺す

 このことわざの生い立ちについては、いろんな説があります。『すし通』という古書によれば、江戸末期にすしを売り歩く職人は、身ぎれいな|いでたち《ヽヽヽヽ》で、手拭を吉原かぶりにして草履《ぞうり》をひっかけ、粋《いき》な声で「鮨やコハダのすーし」と呼びかけて歩いたもので、食物職人中いちばん粋なものだったと言われます。「坊主だまして還俗《げんぞく》させて、小鰭の鮨でも売らしたい」という唄《うた》までできたほどです。どこへ行ってもすし屋さん、すし屋さんと大モテで、コハダのすしを食べなければ、江戸っ子ではないというほどのはやりようだったそうです。そんなことから、このことわざが生まれたといいます。
一方、江戸の握りずしは、新鮮味を第一として尊んでいますが、中でも「なれ味」のあるのはコハダで、すしめしともっとも調和するからといい、すしを食べつくした通人は、コハダがいちばん飽きがこなくていいと言うので、「鮨は小鰭に止めを刺す」のだとも言います。
もう一つ。「止めを刺す」というのは「最後」という意味で、コハダはすしだねのうちでいちばんなま臭いので、最初に食べると、いつまでも匂いが残り、他のものまでまずく感じられるので、コハダはしめくくりのときに食べろ——という教えだとの解釈。いずれももっともな説ですが、コハダはこのように愛好される反面、好き嫌いのはげしい|たねもの《ヽヽヽヽ》で、特にご婦人や子どもにはコハダを嫌うものが多く、一人前握ってもらって、最後まですし桶の中に残っているのがたいていコハダです。
コハダはコノシロの小形のもので、東京辺の方言です。東京辺では一五センチ以上の大きなものだけをコノシロと言い、八〜一二センチのものをコハダ、四〜五センチの小形のものをシンコとかジャコとか呼んでいます。このほか関西、九州方面では、大形のものは東京と同じくコノシロと言いますが、中、小形のものはツナシと呼んでいます。コノシロは南日本、朝鮮南部の沿岸寄りに多い魚で、北は東京近海まで分布しています。春から夏にかけて産卵し、秋になると五センチぐらいのシンコになって、市場へ顔を出すようになります。関東ではコノシロまで成長しないコハダのときを喜び、すしだねや酢のものにするほか、正月料理には欠かせない粟《あわ》漬けにします。十一月ごろになって一〇センチぐらいのコハダになると脂ものってきて、とてもうまくなります。東京湾内で獲《と》れるコハダは、近年産額がいちじるしく減りましたが、しゅんは十一月ごろから翌年の三、四月ごろまで、それから先はコノシロになり、すしだねとしては大きくなりすぎ、おまけに産卵期にはいるので、味はめっきり落ちます。
むかしは今のように冷蔵設備など完全でなかったので、冬、コハダがたくさん獲れると、すし屋さんは安値のうちに買い溜《だ》めしておき、まず腸を抜いて酢と塩とで甕《かめ》に漬け、目張りをして縁の下へ入れ、いわゆる「地息《じいき》を吸わせる」方法をとって保存したそうです。生々とした色と味を保って貯蔵するのがすし屋の腕前で、これは公開をはばかる秘伝だったと聞きます。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%