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食物ことわざ事典194

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:鯛もひとりはうまからず 食欲や味覚は食卓の雰囲気《ふんいき》や会話、人数などによっても左右され、おいしさにもいちじるしい
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鯛もひとりはうまからず

 食欲や味覚は食卓の雰囲気《ふんいき》や会話、人数などによっても左右され、おいしさにもいちじるしいちがいが出てきます。いかにうまいといわれるタイでも、たったひとりで食べたのでは、うまくありません。「秋刀魚《さんま》のうた」(佐藤春夫)を引き合いに出すまでもなく、夕餉《ゆうげ》にひとり膳に向かえば、たとえおいしいタイでも、それほどには食えず、物想いに沈むのがオチでしょう。
お茶を飲むにしても、お酒を飲むにしても、ひとりよりはふたりして飲むほうが、おいしくなることは、どなたもご経験ずみのことと思います。食べ盛りの子どものころでも、ひとりっ子は食の進まない子が多いと言います。そんな子どもでも、大勢兄弟のいる親戚の家に行ったり、学友と遠足に出かけたり、臨海学校で合宿したりして、みんなといっしょに食事をすると驚くほど、たくさん食べることがあります。食べるものが少々お粗末でも、まわりの楽しい雰囲気に、ついついお代わりを重ね、箸使いも荒くなります。
雰囲気も味の中——これを証拠だてるおもしろい心理学の実験データがありますので、ご紹介しましょう。
お腹《なか》の空《す》いたニワトリを一羽|籠《かご》の中に入れ、十分にエサを与えます。食べすぎるほど食べたニワトリは、やがて食後の一眠りと、うつらうつらしはじめます。そこへこんどは、空き腹にさせておいたニワトリを一羽入れます。このニワトリは食べのこしのエサを見つけるが早いかがつがつついばみはじめます。すると、お腹が満ちたりていたはずの前のニワトリが、眠りからさめて、あわてて、またエサをついばみ、エサをあらそって、ケンカをはじめたりします。この際、興味深いのは、空腹なニワトリと満腹なニワトリの数の関係で、空腹と満腹が同数なら、満腹は空腹のほうにひきずられ、さらにエサを十分|摂《と》ります。満腹のニワトリが空腹のニワトリより一羽でも多いと、形勢逆転、満腹につられてエサをついばまなくなり、「つれ食い」(?)はしなくなります。
ひとりよりは会食したほうがおいしい——とはいっても、いつの場合もそうであるとはかぎりません。フトコロ具合も温かく、気の合った友だちと、たわいない冗談をいいながら、卓を囲んで食べれば、おいしいでしょうが、会社の上役におつき合いしての会食とか、取引先との利害のからんだ飲み食いとか、気のきかぬ硬物《かたぶつ》の、その場にそぐわない話などで座が白けたときなどは、箸取る手もにぶります。
また、胸に迫る心配事でもあれば、気を許した友との会食でも食欲が起こらず、たとえ食べたとしても、それこそ砂を噛むような思いがするだけです。
このように食べものは、そのときの気分にひどく影響を受けうまさのちがいが出てきます。この点、茶の場は「ただ湯をわかし、茶をたててのむ」ばかりでなく、ものをおいしく、楽しく味わうための最高の演出であるといえましょう。
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