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食物ことわざ事典199

时间: 2020-01-15    进入日语论坛
核心提示:鱈汁と雪道は後がよい タラ汁はあとになるほどおいしく、雪道は人が大勢通ったあとほど、踏み固められて歩きよい。タラは一見、
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鱈汁と雪道は後がよい

 タラ汁はあとになるほどおいしく、雪道は人が大勢通ったあとほど、踏み固められて歩きよい。タラは一見、脂気がほとんどないと言ってもよいほど、あっさりした肉質ですが、煮れば元の形をとどめぬまでに崩れてしまいます。タラ汁は、はじめに形のある骨、臓物などがすくい取られて、あとにはばらばらに崩れた、ちょうどゆり根の崩れたような形をした肉が残り、出汁《だし》が出ておいしくなるので、このようなことわざが生まれました。
鱈さげて雪吹き荒るる磯伝い 銘仙
タラは冬場がおいしいので、魚ヘンに雪をつけたとか、腹が白いから雪の字を当てたとか、説はいろいろありますが、日本では雪の降るころから獲《と》れはじめ、本場は北海道です。そのむかしは北陸、山陰がその産地で、若狭や越前、加賀、能登、越中、越後といった裏日本一帯の冬の海の幸でした。十一月の声がかかり、琵琶湖を見下す比良の高嶺に雪が降りつもるころともなると、若狭沖で獲れた初ダラが、敦賀や小浜より陸路、北江州の塩津へ、塩津から海津、今津と陸上輸送されて、今津から船便で琵琶湖を横切り、大津の浜に揚げられ、やがては京の町々へ、あるいは浪花へと出回ったもののようです。以下の二句がそれを物語っています。
比良の雪生鱈来べきあした哉 正秀  鱈船や比良より北は雪けしき 李由
ところで、タラは世界中には、そうとうな種類がありますが、ふつうにタラというのはマダラのことです。北陸地方でタラというのは、はるかに産額の多いスケトウダラ(別名スケソウダラ、またはスケソウ)のことですから注意を要します。
わが国の近海では、ふつう水深一五〇メートルぐらいのところに多く棲み、北方ではもっと浅いところにいます。冬、産卵し、いちどに五〇〇万粒も生みますが、このうち生きのびるのは、せいぜい一、二匹だと言いますから、なかなか生存競争は激しい。そのせいでしょう、成長したタラの生活力のはげしいことと言ったら、まったくオドロキです。「タラ腹食べる、ヤタラと食う」という俗語があるほどの大食漢で、目に見えるものは、なんでも腹に放り込みます。容貌もそれにふさわしい大きな口と鋭い歯を備え、あるとき、タラの腹を割《さ》いて調べてみたところ、ホッケ、カタクチイワシ、カレイの魚族から、エビ、カニ、タコ、ヤドカリ、マキガイなど、ざっと一〇〇種類におよぶ動物が見つかったそうです。
漁場で獲りたてのマダラは臭味がなく、刺身にしたりしますが、肉がやわらかすぎるので、一日ぐらいおいて自家消化を起こしたときのほうがおいしいという人もおります。
タラ汁のほか、煮つけ、ムニエル、塩焼きにもします。スケトウダラは、タラより味はいちだん落ちますが、有名な京都の「芋棒」には、このスケトウが用いられ、タラコはスケトウの卵巣を塩蔵したもので、魚肉より珍重されます。
薄月の鱈の真白や椀の中 東洋城
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