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大金块-两个谜团

时间: 2021-10-28    进入日语论坛
核心提示:二つのなぞ 小林君は逃げ腰になって、胸をドキドキさせながら、カーテンのすきまをできるだけほそくして、なおものぞいています
(单词翻译:双击或拖选)

二つのなぞ


 小林君は逃げ腰になって、胸をドキドキさせながら、カーテンのすきまをできるだけほそくして、なおものぞいていますと、女の人は、ベッドの上に起きなおり、ヒョウのようにきらきら光る目で、部屋の中を見まわしていましたが、
「おや、今のは夢だったのかしら、なんだかみょうな音がしたように思ったけれど……。」
と、ひとりごとをつぶやきました。
 小林君は石のようにからだをかたくして、息の音もたてないようにしていましたので、カーテンのうしろに人がかくれているとは気づかないようです。
 でも、なんとなく心配になるとみえて、女はベッドをおりて、むこうの入り口のところへ行き、ドアのとってに手をかけて、動かしてみましたが、そこには、うらがわからかぎがかかっているらしく、開くようすもありません。
 女はそれをたしかめて、安心したようにうなずいていましたが、こんどは急いで、部屋の一方の壁ぎわにあるりっぱな鏡台の前に近づいて、その上にならんでいるいろいろな化粧品の中から、大型のクリームのつぼを手に取って、そのふたを開きました。
 小林君は、この真夜中にお化粧をはじめるのかしらと、びっくりして見ていますと、女はべつにお化粧をするのでもなく、クリームのつぼに、もとのとおりふたをして、鏡台の上におきました。そしてこんどは、小林君のかくれているカーテンのほうにむきなおって、そろそろと近づいてくるのです。
 まさか秘密の通路から人がくるはずはないけれど、ねんのためにしらべておこうというような顔つきです。
 小林君は、ハッとして身がまえました。もうぐずぐずしてはいられません。ここで見つかったら、せっかくの苦心が何もかもだめになってしまうのです。
 そこで、音をたてないように、すばやく、もとの小部屋にはいり、さかいの戸をそっとしめて、れいのマンホールのような板を持ちあげると、鉄ばしごをつたって穴の中へ逃げこんでしまいました。
 そして、しばらく聞き耳をたてていましたが、女はカーテンを開いてみただけで安心したのでしょう、小部屋の中へはいってくるようすはありません。
 うまいぐあいに、相手にさとられないで、逃げだすことができたのです。
「これだけ見とどけておけば、今夜はもうじゅうぶんだ。ぐずぐずしていて、部屋のやつらが起きてきてはたいへんだから、早く牢へ帰ることにしよう。」
 小林君はそう思って、急いで鉄ばしごをおり、地下室の首領の部屋にもどりました。そのとちゅうの秘密戸は、みな、もとのとおりにしめておいたのです。
 それから、懐中電灯を、部下の寝ている部屋に返しておいて、急いで牢に帰り、鉄ごうしの戸にももとのようにかぎをかけて、そのまま、わらのベッドに横になりました。
「ふふん、うまくいったぞ。ぼくが、あれだけ歩きまわっているのに、だれも気がつかないなんて、賊のやつらものんきなもんだなあ。でも、首領が女だなんて、ほんとうに思いもよらなかった。あんなきれいなおばさんが大どろぼうとは、おどろいたなあ。」
 小林君はあおむけに寝ころんだまま、しばらくは、いま見てきた女首領のことばかり思いだしていましたが、そのうちに考えが、だんだんかんじんな点にむいていきました。
「だが、暗号文のかくし場所が見つからなかったのはざんねんだなあ。きっとあの女首領の寝室の中にかくしてあるにちがいないんだが……。」
 小林君はくらい天井を見つめて、しばらくのあいだ、じっとしていました。すると、とつぜん、頭の中にピカッといなずまでもさしたように、すばらしい考えがひらめいたのです。
「ああ、そうだ。そうにちがいない。わかったぞ。暗号文のかくし場所がわかったぞ、ああ、なんてきばつなかくし場所なんだろう。ぼくはあのとき、それに気がつかないなんて、よっぽどどうかしていたんだ。」
 小林君はうれしまぎれに、思わずわらのベッドの上にすわってしまいました。そして、胸をわくわくさせながら、その暗号文を取りかえすことを考えました。
「首領のるすのときを考えて、もう一度あの部屋にしのびこめばいいんだ。そして、暗号文を手に入れて、この地下室を逃げだせばいいんだ。暗号文を持ってぶじに明智先生のところへもどったら、先生、どんなにほめてくださるだろうなあ。きっとにこにこして、さすがに小林君だって、おっしゃるにちがいない。」
 それを思うと、もう、うれしくてしかたがないのでした。
「だが、待てよ。暗号文は手に入れても、この地下室を逃げだせなかったら、なんにもならないぞ。夜中に、みんなの寝ているすきに逃げるにしても、きっと、ひとりぐらいは寝ずの番がいるにちがいない。だれかが地下室の入り口にがんばって、外からしのびこむものや、中から逃げだすものを、見はっているにちがいない。
 それに、きょうはみんなぐっすり寝ていて、うまくいったけれど、どんなことで、ほかの部下のやつらが目をさまさないとはかぎらないし、ここをぬけだすのは、なかなかめんどうだぞ。」
 小林君はすわったまま、腕ぐみをして、また考えこみました。そして、しばらくじっとしていましたが、やがて、何か名案がうかんだものとみえて、思わずひとりごとをいいました。
「うまいっ。すばらしい思いつきがあるぞ。少しぼくのほうが背がひくいかもしれないが、なあに、だいじょうぶだ。きっとうまくいく。部下のやつらの見ている前で、大手をふって逃げだせるんだ。それがうまくいったら、あいつら、あとでどんなにおどろくだろう。ああ、おもしろくなってきたぞ。」
 小林君はそんなことをつぶやいて、ひとりにやにや笑っていましたが、やがて、また、ごろっと横になったかと思うと、いつのまにかすやすやと寝いってしまいました。暗号のありかもわかったし、逃げだすてだてもきまったものですから、すっかり安心したのです。
 さて、読者諸君、小林君は、どうして暗号のかくし場所を気づくことができたのでしょう。いったい、それはどこにかくしてあるのでしょう。また、見はり番のいる前を、やすやすと逃げだすてだてとは、どんなことでしょう。
 諸君も小林君の見ただけのものは、ちゃんと見ているのですから、よく考えればおわかりになるはずです。さきを読みつづけるまえに、ひとつそれをあててごらんになりませんか。

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