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大金块-暗码

时间: 2021-10-28    进入日语论坛
核心提示:暗号文 その翌朝、明智探偵は、あずかっていた不二夫君をつれて、宮瀬家をたずねました。 主人の宮瀬鉱造氏は、暗号文の半分が
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暗号文


 その翌朝、明智探偵は、あずかっていた不二夫君をつれて、宮瀬家をたずねました。
 主人の宮瀬鉱造氏は、暗号文の半分が手にはいったという知らせを受けていましたので、待ちかねていて、明智を応接室に通しました。
 明智は小林君が不二夫少年の身がわりとなって、賊のすみかにつれられていってからのちのできごとを、くわしく報告しました。
「そういうわけで、小林が不二夫君のかえ玉だということも、賊のほうへわかってしまいましたので、いつまでもわたしの家におあずかりしておくのもなんですから、きょうは不二夫君をおつれしてきたのです。
 これからは、警察のほうで、じゅうぶん不二夫君のことも気をつけてくれるはずです。とうぶん、おたくの付近に刑事の見はりをつけるということでした。」
「いや、いろいろお手数でした。不二夫のことはわたしのほうでも、書生の人数をまして、気をつけることにします。で、暗号はお持ちくださいましたでしょうか。」
 宮瀬氏は、何よりも暗号の半分が気にかかるのでした。
「持ってきました。これです。」
 明智は、ポケットからその紙きれを取りだして、テーブルの上におきました。
 宮瀬氏は、急いでそれを手に取り、二、三度読みかえしましたが、さっぱり、わけがわからないらしく、小首をかしげて、
「どうも、わかりませんなあ、これはいったい、なんのことでしょう。」
と、明智の顔を見るのでした。
「わたしもまだよくはわかりません。ひとつそれを、あなたの指輪の中にはめてある半分の暗号とつづけてここへ書いてみましょう。」
图片2
 明智はそういって、テーブルの上の白紙に、筆でつぎのような形に暗号文をかきとりました。
 ぎざぎざの線からまえの部分が、宮瀬氏の指輪の中にかくしてある半分、ぎざぎざからあとの部分が、こんど小林君が取りもどした半分です。
「やっぱりわかりませんなあ。いったいどう読むのでしょう。」
 宮瀬氏が、それをのぞきこんで、いぶかしげにいいました。
「たぶん、このはじめのほうは、このあいだもいったように『獅子が烏帽子をかぶる時、カラスの頭の』でしょうね。そのあとは、『ウサギは三十ネズミは六十岩戸(いわと)の奥をさぐるべし』とでも読むのでしょう。
 つづけて読めば、獅子が烏帽子をかぶる時、カラスの頭のウサギは三十、ネズミは六十、岩戸の奥をさぐるべし、となります。」
「なんだか動物園へでもいったようですね。それに、カラスの頭のウサギっていうのは、いったいどんな動物でしょう。ウサギの胴にカラスの首がついている化けものでもいるのでしょうか。」
「なんだか、魔術師のじゅ文みたいな感じがしますね。しかし、これを何度も何度もくりかえして読んでいると、少しずつ意味がわかってくるようです。
 まず、いちばんおしまいの『岩戸の奥』というのは、どこかに、岩が戸のように入り口をふさいでいるほら穴かなんかが、あるのではないでしょうか。そのほら穴の奥をさがせ、という意味じゃないでしょうか。」
「なるほど、そうでしょうね。しかし、この動物どもは、さっぱりわかりませんなあ。ウサギが三十ぴきに、ネズミが六十ぴきなんて。」
「いや、それもよく考えれば、わかるのです。ウサギとネズミには特別の意味があるのですよ。ウサギという字は、ちがう字で書くと『()』でしょう。それからネズミは『()』でしょう。つまり両方とも十二支のうちの一つなのです。
 十二支というのは、子、(うし)(とら)、卯、(たつ)()(うま)(ひつじ)(さる)(とり)(いぬ)()の十二で、午の年とか酉の年とかいうあの呼び方なのです。」
「うん、なるほど、そうですね。すると……。」
「すると、この二つの動物は、方角をしめしているのじゃないかと思うのです。」
「アッ、そうだ。いかにもおっしゃるとおり、これは方角です。」
 宮瀬氏は何か大発見でもしたように、うれしそうな顔になって、明智の顔を見るのでした。
「ウサギ(卯)は東でしょう。ネズミ(子)は北でしょう。すると、これは東のほうへ三十、北のほうへ六十ということになります。」
 読者諸君の家に古い磁石がありましたら、その目もりをごらんになるとわかります。古い磁石には、東西南北のほかに、十二支の名で方角が書いてあるはずです。それを見ますと、東は卯、西は酉、南は午、北は子となっています。
「では、この三十と六十は長さのことですね。」
「そうです。昔のことですから、むろんメートルではなく、(しゃく)(けん)ですが、間にすると、六十間は百メートル以上ですから、これは少し遠すぎるような気がします。やはり尺でしょう。つまり卯の方角の東のほうへ三十尺(九・一メートル)へだたり、そこからまた子の方角の北のほうへ六十尺(十八・二メートル)へだたったところに、この岩の戸があるという意味じゃないかと思います。」
 明智が、わけのわからない暗号をすらすらとといていきますので、宮瀬氏はすっかり感心してしまいました。
「それじゃ、このまえのほうの獅子やカラスはどういう意味でしょうか。これもあなたはおわかりになっているのですか。」
「ええ、だいたい見当がついています。」
 明智は、にこにこして答えました。
「これは、少しめんどうなのです。ただ考えたのではわかりません。ぼくはこの意味をたしかめるために、登山家の名簿をくって、ほうぼうの有名な登山家に電話をかけたり、手紙をだしたりして、知恵をかりたのですよ。」
 宮瀬氏は登山家と聞いても、なんのことか少しもわかりませんでした。登山家が「烏帽子をかぶった獅子」や「カラスの頭」を知っているとでもいうのでしょうか。

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