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怪人与少年侦探-井盖的秘密

时间: 2022-02-06    进入日语论坛
核心提示:マンホールのひみつ 男はベンチのそばによると、いきなり、少女に声をかけました。「おじょうさん、あんた野村(のむら)みち子(
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マンホールのひみつ


 男はベンチのそばによると、いきなり、少女に声をかけました。
「おじょうさん、あんた野村(のむら)みち()さんでしょう」
「ええ、そうよ」
 少女はびっくりしたように、本から目をあげて、男の顔を見ました。
「あんたのおうちの人からたのまれたんだが、おかあさんが、道でけがをされて、近くの山田(やまだ)病院へかつぎこまれている。おとうさんは、おかあさんにつきっきりだから、おじょうさんを、さがして、つれてくるようにって、たのまれたのですよ。さあ、すぐ、わたしといっしょに、きてください」
 野村みち子さんは、おかあさんがけがをしたときくと、しんぱいで、まっさおになって、なにを思うひまもなく、いそいでベンチから立ちあがると、男といっしょに、あるきだしました。
 みち子さんは、考えがたりなかったのです。見知らぬ人に、なにか言われても、そのまましたがってはいけません。じぶんでおうちまで行って、たしかめてみるのです。道に、赤電話があったら、それで、おうちの人とはなしてみるのです。
 もし、男が、そんなことをしてはいけないと言ったら、なおあやしいことになります。そうなったら、大声で、たすけをもとめればいいのです。
 少女が男につれられていくので、ふたりの少年は、また、そのあとをつけました。
 ぐるぐる町かどをまがって、だんだん、さびしいほうへ行きます。
 そして、なんどめかの町かどを曲がったとき、二少年が、いそいで、そのかどまでいってみますと、ふしぎ、ふしぎ、男と少女とは、どっかへ消えてなくなっていました。
 人どおりのない、やしき町のコンクリートべいが、ずうっと、むこうまでつづいています。近くに曲がりかどはありません。男と少女は、まだ五十メートルも、行ってはいないはずですから、すがたが見えないのは、おかしいのです。
 どこかのうちの門の中へ、はいったのではないかと、一けん一けん、げんかんまで行って、たずねてみましたが、そういう人はこないという返事です。
 ふたりは、道のまんなかに立って、長いあいだ、考えていました。
 まさか、けむりのように、きえてしまうはずはないのですから、どこかへ、かくれたのにちがいありません。といって、どこにかくれる場所があるのでしょう?
「あっ、そうかもしれない。あれだよ。あの中が、あやしいよ」
 ポケット小僧が、とんきょうな声をだして、むこうの地面をゆびさしました。そこにはマンホールの、まるい鉄のふたがあるのです。
「えっ、マンホールの中かい」
「うん、悪者(わるもの)は、よくこれを使うんだよ。あの中へ、かくれていれば、だれも気がつかないからね。きっと、ぼくらに尾行されていることを知って、かくれたんだよ」
「じゃあ、あの鉄のふたをあけてみようか。ふたりであけられるかしら」
「だいじょうぶだよ。きみの力なら、あけられるよ」
 そこで、ふたりは、そこへ行って、力を合わせて、鉄のふたを持ち上げ、横へずらせて、中をのぞいてみました。
「だれもいないよ」
「おかしいな。ここのほかに、かくれるところはないんだがなあ」
「あっ、あれ本だよ。さっき女の子が読んでいた本にちがいないよ」
 マンホールの底に、一さつの少女小説の本が落ちていました。
「あの本が落ちているからには、ここへかくれたにちがいない。だが、それから、どうしたんだろう。そとへ出たら、ぼくらにみつかるから、出たはずはない。きっと、このあなの中に、ひみつの道があるんだよ。よしっ、さがしてみよう」
 井上君は、そう言って、マンホールの中へ、おりようとしました。
「あっ、ちょっとまちな。こういうときは、BDバッジを、道に、まいておくほうがいいよ。ぼくらの身に、もしものことがあったときの用意にね」
 BDバッジというのは、少年探偵団の銀色のバッジで、団員たちは、いつでも、そのバッジを、二十も三十も、ポケットの中にいれているのです。それにはバッジのほかに、いろいろの使いみちがあって、いまのように、団員があぶない場所へはいるとき、そのいりくちに、ばらまいておいて、味方(みかた)に知らせるという、使いかたもあるのです。
 ふたりは、それをばらまいてから、マンホールの中へ、おりていきました。そして、おそろしいひみつを発見するのです。
 ああ、そのひみつとは、いったい、どんなことでしょうか?

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