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黄金豹-金蝉脱壳

时间: 2021-12-01    进入日语论坛
核心提示:もぬけのから そのへんは大きな邸宅ばかりの、さびしい町ですし、まして、深夜のことですから、大通りには人かげもなく、街灯の
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もぬけのから


 そのへんは大きな邸宅ばかりの、さびしい町ですし、まして、深夜のことですから、大通りには人かげもなく、街灯の光が白いアスファルト道を、ほのかにてらしています。その中を、一ぴきの金色の豹が、恐ろしいいきおいで、とんでいくのです。そして、その二十メートルほどうしろからは、ヘッド=ライトを消した、まっ黒な自動車が、影のようにすべっていきます。なんだか、恐ろしい夢でも見ているような、ふしぎな光景でした。
 自動車の運転席には、明智探偵と小林少年とが、並んでこしかけ、明智が運転していました。
「あいつは、もう、この自動車に追跡されていることを、知っているでしょうか。」
「知っているかもしれない。なんでもいいから、どこまでも尾行するんだ。もし、せまい道へまがったら、ぼくらも車をおりて追っかけるんだ。今夜こそは、あいつのすみかを、つきとめなければならない。」
 前を走る豹のすがたを見つめながら、小声で、そんなことを、話しあっているときでした。とつぜんむこうの横丁から、まっ黒なものがとびだしてきました。やっぱりヘッド=ライトを消した一だいの自動車です。客席のドアは、開いたままになっています。
 黄金豹は、その開いたドアへ、とびついていきました。そして、アッというまに、客席の中にはいり、パタンとドアをしめてしまいました。黄金豹が自動車にのったのです。
「アッ、車が待たせてあったんだな。運転しているのは黄金豹の部下にちがいない。よし、自動車と自動車の競争なら、負けないぞ。さあ、小林君、スピードを出すよ。」
 明智はそういって、いきなり速力をくわえるのでした。
 むこうの車も矢のように走りだしました。風をきって進む二だいの自動車。ものすごい追跡です。前の自動車のバック=ウインドーに、キラキラ光る豹の頭が見えています。じっと、こちらをのぞいているようです。
 黄金豹の怪自動車は、つぎからつぎと、町かどをまがりながら、だんだん、さびしい方へ、向かっていきます。新宿(しんじゅく)をすぎ、中野(なかの)をすぎ、杉並(すぎなみ)区にはいりました。あたりは森や畑の見える、さびしい場所です。
 するとそのとき、ふしぎなことがおこりました。いままで、あんなに早く走っていた黄金豹の車が、なぜか、急にスピードをおとしたのです。まるでハンドルがきかなくなったように、右へ行ったり、左へ行ったり、よたよたとして、進んでいきます。
「へんですねえ。パンクでもしたんでしょうか。」
 小林君が、ささやきました。
「そうでもないらしいよ。なにか、たくらんでいるのかもしれない。」
「じゃ、黄金豹が、車からとびおりて、あの森の中へ、逃げこむつもりでしょうか。」
「そうでもないね。見たまえ、うしろの窓から、あいつの頭が見えている。じっとしているよ。」
 そんなことをいっているうちに、前の車は、いよいよ速度がにぶくなり、人間が歩いているほどの、のろさになりました。
「へんだな。よし、追いこしてしらべてみよう。」
 明智はそういって、みるみる前の車を追いこしてしまいました。そして、通せんぼうをするように、そこに、こちらの車をとめたのです。すると、むこうの車も、ピッタリととまってしまいました。
 明智と小林少年は、車からとびだして、相手の車に近づいていきました。ふたりとも、ポケットにピストルを用意していました。いざというときには、それをぶっぱなすつもりです。
 すると、むこうのドアが開いて、運転手がおりてきました。遠くの街灯の光で、ぼんやりとしか見えませんが、運転手は青ざめて、なんだか、おどおどした顔をしています。
 べつに手むかいするようすもないので、明智は運転手にはかまわず、つかつかと車のそばによって、右手にピストルをかまえながら、うしろの席のドアを、パッと開きました。
 黄金豹が、いきなり、とびかかってくるかと思ったのです。しかし、なにごともおこりません。車の中は、しいんと、しずまりかえっています。
 黄金豹は逃げてしまったのでしょうか。いや、逃げたのではありません。あのピカピカ光る怪獣は、ちゃんと、そこにいました。うしろによりかかって、ぐったりとなっています。眠っているのでしょうか。まさか、こんなさいに、眠るはずはありません。
 明智は、おもいきって、ピストルのさきで、豹のからだを、つっついてみました。なんの手ごたえもありません。豹は、ぐったりとしたままです。死んでしまったのでしょうか。
 こんどは、手で豹のからだを、ゆさぶってみました。すると、相手は、くなくなと、くずれるように、自動車の床へ倒れてしまいました。いや、倒れたのではありません。一まいの()き皮のように、ぺちゃんこになってしまったのです。
 黄金豹には中みがなくなっていたのです。皮ばかりになっていたのです。やっぱりそうでした。皮を身がわりにして、いつのまにか逃げだしてしまったのです。明智はその金色の豹の皮をつかんで、車のそとへひき出し、首のところをもって、ぶらさげて見せました。
「アッ、皮ばかりですか。」
 小林君がびっくりして叫びました。
「オヤッ、いつのまに……。」
 運転手も、驚いています。
「おい、きみに聞きたいことがある。」
 明智は運転手の前に立って、グッと、相手の顔をにらみつけながら、しかりつけるようにいいました。

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