日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

灰色巨人-追踪巨人

时间: 2021-11-28    进入日语论坛
核心提示:巨人ついせき 一寸法師のさわぎで、主人も支配人も、うちの人がみんな店へ集まってきました。 あぶない、あぶない、これは怪盗
(单词翻译:双击或拖选)

巨人ついせき


 一寸法師のさわぎで、主人も支配人も、うちの人がみんな店へ集まってきました。
 あぶない、あぶない、これは怪盗の、れいの手かもしれません。どこからか一寸法師を、やとってきて、店でこんなおしばいをさせて、みんながそれに気をとられているすきに、なにかやろうというのではないでしょうか。
 そのとき、大賞堂のおくのほうの物置部屋の板戸(いたど)が、ソーッとひらいていました。そして、その中から、若い女があらわれました。みんな店のほうへいって、そのへんには、だれもおりません。この女は、二―三日前に、明智小五郎がきて、主人と話していたとき、ドアのそとで立聞きした女中です。
 物置部屋から出てきたその女中は、古新聞でくるんだものを、ブラウスの下にかくして、ぬき足をして、そっと勝手口のほうへ歩いていきました。そして、そこでくつをはくと、そのまま裏通りへ出ていくのです。ブラウスの下にかくした新聞づつみの中には、いうまでもなく、たくさんの宝石類がはいっているのです。
 女中が、裏通りへ出たときに、その町を、ゆっくりすすんでいく、一台のからのタクシーがありました。女中は、いそいでタクシーをよびとめると、あたりを見まわしながら、それにのりこんでしまいました。
 それから三十分ほどのち、女中ののった自動車は、白鬚(しらひげ)橋をわたって、隅田(すみだ)公園のやみのなかに止まりました。女中はそこでおりて、まっ暗な立木のあいだへ、はいっていきます。
 そのとき、女中がおりたあとの自動車に、ふしぎなことがおこりました。車のうしろの荷物をいれるトランクのふたが、そっとひらいて、その中から、ひとりの少年がはい出してきたのです。少年は運転手のところへいって、なにか、ひとこと、ふたこと、ささやくと、そのまま女中のあとを追いました。
 その少年こそ、明智探偵の名助手の小林君なのです。小林少年は、明智先生のめいれいによって、知りあいのタクシーの運転手にたのんで、その後部のトランクに身をひそめたのです。そして、そのタクシーは、大賞堂の裏どおりを、しずかに行ったりきたりして、女中がよびとめるのを待っていたわけなのです。
 明智探偵は、女中が物置部屋から、新聞づつみの宝石をぬすみ出すことを、ちゃんと見ぬいていました。それで、小林少年に、そのあとをつけさせて、灰色の巨人のすみかを知ろうとしたのです。
 女中は、まっ暗な立木のあいだを、どんどん歩いていきます。小林君は、あいてに気づかれぬように、そのあとをつけました。
 百メートルほど歩くと、女中は立ちどまりました。そして、人待ち顔に、その暗いところに、じっと立っています。
 すると、木の枝をガサガサいわせて、そこのしげみの中から、なにものかがあらわれました。遠くの街灯の光が、かすかにてらしているだけですから、その人間の姿は、はっきりは見えませんが、ふつうの人間の倍もあるような、よく太った大きな男でした。うすいオーバーをきて、ソフトをかぶっています。
 女中はその大男に、宝石の新聞づつみを手わたすと、そのまま、もときたほうへもどっていきます。小林君は、見つけられてはたいへんですから、いそいで、そばの木のかげにかくれました。そして、これからどうしたらいいかと、ちょっと、考えましたが、女中のほうはかまわないで、新聞づつみを受けとった男を、尾行することにきめました。
 男はむこうのほうへ、大またに歩いていきます。小林君は、その十メートルほどあとから、見うしなわぬように、ついていくのです。
 少しむこうに、街灯が立っています。男がその街灯の下を通るとき、小林君は、男の姿を、はっきり見ましたが、ハッと、あることに気づいて、思わず息をのみました。
 その男の身についているものは、ソフトも、オーバーも、ズボンも、くつも、みんな灰色だったのです。男が横をむいたとき、チラッとその顔を見ましたが、この男は、顔までも灰色がかっていました。
 それに、おそろしく大きなやつです。ふつうのおとなの倍もあります。せいが高いばかりでなく、横はばもひろいのです。つまり、ひどく太っているのです。
「灰色の巨人だ。こいつこそ、灰色の巨人の首領にちがいない。」
 小林少年は、そう考えると、なんだか身がひきしまるように感じました。ところがそれからしばらくすると、じつに意外なことがおこったのです。
 大男が、とつぜん立ちどまりました。そして、いつまでも動かないのです。いや、そればかりではありません。大男が口をきいたのです。
「おい、きみも立ちどまってしまったじゃないか。どうして、ここへこないのだ。おれは、きみを待っているんだぜ。」
 むこうをむいたまま、からだにふさわしい太い声で、そんなことをいいました。
「きみ」というのは、だれのことでしょう。そのへんに人がいるはずはありません。こちらにかくれている小林少年のことです。大男は尾行されていることを、ちゃんと知っていたのです。
 小林君はギョッとして、やみの中に、立ちすくんでしまいました。あいては、そんな大きな怪物ですから、足もはやいでしょう。にげ出したって、すぐにおいつかれてしまいます。もうかくごをきめるほかはありません。
 小林君は、ぐっと下腹に力をいれて、木のかげからあらわれ、だいたんに、大男のほうへ、すすんでいきました。
「あははは……、とうとう、あらわれたな。きさま、明智小五郎の助手の小林だろう。タクシーのトランクに、かくれていたのか。おおかた、そんなことだろうとおもっていた。きみはこの新聞づつみがかえしてほしいのだろう。だが、このおれと、ちんぴらのきみとじゃ、勝負にならない。これをとりかえすことは、すっぱりあきらめるんだな。はははは……、きみはかわいい子だ。おれがかわいがってやるから、まあ、こっちへくるがいい。」
 大男はニューッと、大きな手をのばして、小林君の服のえりをつかみ、まるでネコでもぶらさげるように小林君をぶらさげて、のしのし歩きだしました。ざんねんながら、こんな巨人にかかっては、もうどうすることもできません。
 大男はそうして、隅田川のほうへおりていきました。そこは、船のつくところらしく、石の坂道が川の水面と、すれすれのところまで、ひくくなっています。
 見ると、そこの水面に、一そうのモーターボートがとまっていました。大男は小林君をぶらさげたまま、ひょいと、そのボートにのりました。
「さあ、これで、おわかれだ。宝石もかえさないし、おれのあとをつけることも、できなくしてやる。つまり、この勝負はおれの勝ちというわけだね。」
 大男は、そういうと、ボートの中から、手をのばして、小林君のからだを、そっと、岸の石だたみの所へおろしました。そして、ボートの中にあったステッキのようなもので、ぐっと石だたみをおすと、ボートは岸をはなれてしまったのです。
 小林君は、ざんねんでしかたがありません。このまま負けてしまっては、明智先生にも、もうしわけがないのです。小林君は、いきなり、大男によびかけました。
「おい、のっぽくん。きみは懐中電灯を持っているだろうね。それをつけたまえ。そして、新聞づつみをひらいて、中の宝石をよくしらべてごらん。その宝石はみんな、にせものだということが、わかるはずだよ。」
 大男は、それを聞くと、ギョッとしたように、こちらを見つめました。そして、いわれたとおり、懐中電灯をつけて、宝石をしらべているようすでしたが、やがて、「ちくしょう。」と、したうちをする声が聞こえてきました。
「きのどくだねえ。きみは明智先生の計略にかかったんだよ。先生は女中が立聞きしていたことをさとって、大賞堂の主人にぎゃくの手をつかわせたのさ。金庫のなかの宝石を、にせものと入れかえたようにおもわせて、じつは入れかえなかったのさ。新聞づつみの方がにせもので、ほんとうの宝石は、みんな、もとの金庫にあるんだよ。はははは……、どうだい、これでも、きみの方が勝ったといえるだろうかねえ。」
 小林君は、そういって、さもここちよげに笑うのでした。
 しかしこの勝負は、せっかく尾行した巨人に、にげられてしまったのですから、じつは五分五分なのです。
「ちくしょう、おぼえていろ。このしかえしは、きっとするぞ。」
 大男のくやしそうな声が、エンジンの音にまじって聞こえてきました。そしてモーターボートは、隅田川のやみの中へ消えていくのでした。
 大賞堂の店にあらわれた一寸法師は、いったいなにものでしょう。かれはどこからどうして、にげさることができたのでしょう。
 また、モーターボートでにげた大男は、はたして、灰色の巨人なのでしょうか。やがて、それらの秘密のとけるときがきます。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: