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灰色巨人-王冠失踪

时间: 2021-11-28    进入日语论坛
核心提示:にじの宝冠 そのばん、園井君のうちによばれたお客さまたちは、おいしいごちそうのもてなしにあずかったあとで、いよいよ宝冠を
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にじの宝冠


 そのばん、園井君のうちによばれたお客さまたちは、おいしいごちそうのもてなしにあずかったあとで、いよいよ宝冠を見せてもらうために、応接間に集まっていました。
 お客さまは、夫婦づれの人が多く、男が六人、女が四人でした。みな、りっぱなみなりの人ばかりです。それに、園井君のおとうさんと、おかあさん、あわせて十二人が、大きな丸テーブルを、ぐるっとかこんでいすにかけていたのです。
 主人の園井さんのまえには、銀色の美しい箱がおいてあります。園井さんは、そのふたに手をかけました。
「これがにじの宝冠です。箱のまま、じゅんにまわしますから、よくごらんください。」
 ふたがひらきました。なかにはまっかなビロードの台座があり、その上に金色(こんじき)まばゆい宝冠がのせてあります。
 宝冠にちりばめた、かずしれない宝石が、電灯の光をうけて、赤に、青に、むらさきに、キラキラ、チカチカとかがやきました。目もくらむばかりの美しさです。
 お客さまたちは、それを見ると、あまりのみごとさに、思わずホーッと、ためいきをつきました。
「さあ、じゅんにまわして、ごらんください。宝石のかずを、かぞえるだけでもたいへんですよ。」
「まあ、なんてすばらしいんでしょう。ほんとうににじですわ。にじのように、五色にかがやいていますわ。」
 園井さんのとなりの美しい女の人が、うっとりとして、つぶやきました。
 それから宝冠の箱は、テーブルの上を、つぎつぎとまわっていきました。そして、五人めまでまわったときです。いきなり、パッと電灯が消えて、部屋のなかが、まっ暗になってしまいました。
 停電でしょうか? いや、どうもそうではなさそうです。だれかがスイッチをきったのです。園井さんは、はっとして、大いそぎでスイッチのほうへいこうとしました。
「キャーッ……。」
 女のお客さまのだれかが、ひめいをあげました。
「どうしたんです。いま、さけんだのはだれです。」
 男の声が、どなりました。
「子どもがいます。小さな子どもが、あたしの手を……。」
「子ども? 子どもなんかいるはずがない。どこです、どこです。」
 暗やみのなかで、みんないすから立って、うろうろしていました。ぶっつかりあうものもあります。
「あっ、いたぞっ。子どもだ。小さな子どもだ。」
 また、だれかが、さけびました。
「みなさん、しずかにしてください。宝冠はだいじょうぶですか。どなたが、お持ちですか。」
 だれもこたえません。みながいすを立ったので、宝冠の箱が、どのへんにあったか、けんとうもつかないのです。
 そのとき、園井さんが、やっとスイッチをさぐりあてて、パチンと、電灯をつけました。部屋のなかが、まぶしいほど明るくなりました。
 みんなの目が、テーブルの上を見ました。宝冠の箱は、かげもかたちもありません。二―三人のひとが、テーブルやいすの下をのぞきました。なにもありません。にじの宝冠は、魔法のように消えうせてしまったのです。
「さっき、子どもがいると、おっしゃったかたがありましたが、ほんとうに、そんなものが、いたのですか。」
 園井さんが、みんなの顔を見まわして、たずねました。
「たしかにいました。わたしの腰くらいしかない、小さな子どもでした。」
「あたしも、その子どもにさわられましたわ。どうしたんでしょうね。どこへいったんでしょうね。」
 それをきくと、みんな、きみがわるくなって、キョロキョロとあたりを見まわすのでした。
 園井さんは、ふしぎそうな顔をして、いいました。
「そんな小さな子どもがいるはずはありません。わたしの子どもの正一は中学生です。そのほかに、うちには子どもはいないのです。いや、たとえ子どもがいたとしても、この部屋へは、はいれません。わたしは、用心のために、宝冠をお見せするまえに、ドアにカギをかけておきました。窓もちゃんと、しまりができております。どこにも出はいりするすきまはないのです。」
「それはたしかですか。では、宝冠はどこへいったのです。だれかが、持っていったとしか考えられないじゃありませんか。」
 園井さんも、お客さまの男の人たちも、部屋じゅうを、ぐるぐるまわって、さがしました。ドアや窓の戸を、ガチガチやって、ためしました。ぜんぶ、中からしまりができています。そのほか、てんじょうにも、かべにも、ゆかいたにも、あやしいところは、少しもないことがわかりました。
 ふしぎです。あの美しい宝冠は、銀の箱もろとも、おばけのように消えてなくなったのです。
 みんなは、うすきみわるくなって、ただ、おたがいに、おびえた目を見かわすばかりでした。

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