日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

透明怪人-蜡面人

时间: 2021-11-10    进入日语论坛
核心提示:ろう人形 そのふたりの少年は、あんなこわいめにあったのは、生まれてからはじめてでした。 春のはじめの、ある日曜日、小学校
(单词翻译:双击或拖选)
ろう人形
 
 そのふたりの少年は、あんなこわいめにあったのは、生まれてからはじめてでした。
 春のはじめの、ある日曜日、小学校六年の君と君は、学校の先生のおうちへあそびにいって、いろいろおもしろいお話を聞き、夕方になって、やっと先生のうちを出ました。そのかえり道の出来事です。
「おや、へんだね、こんな町、ぼく一度も通ったことがないよ。」
 島田君がふしぎそうに、あたりを見まわして、言いました。
「ほんとだ。ぼくも通ったことがないよ。なんだか、さびしい町だね。」
 木下君も、へんな顔をして、人っこひとりいない、広い大通りを見まわしました。
 夕方のうすぼんやりした光の中に、一度も見たことのない町が、ふたりのまえに、ひろがっていたのです。くだもの屋だとか、菓子屋だとか、牛肉屋などが、ずっとならんでいるのですが、どの店にも、人のすがたがなく、まるで、人間という人間が、この世からすっかりいなくなって、店屋だけが、のこっているのではないかと、あやしまれるほどでした。
「へんだなあ。」と思いながら、あるいていますと、一けんのりっぱなが目につきました。大きなショーウィンドーのなかに、古い仏像だとか、美しいもようの陶器などが、たくさんならべてあります。ふたりの少年は、思わずその前に立ちどまりました。
「ぼくのおとうさんは、こういう仏像がすきなんだよ。いっしょにあるいていて、骨董屋があると、きっとたちどまるんだよ。そして、いつまでもながめている。でも、ぼくは古い仏像なんて、きらいだな。なんだかきみが悪いんだもの。」
 島田君が言いますと、木下君も、
「ウン、きみが悪いね。博物館の仏像の部屋ね、あれみんな生きてるみたいだね。ぼく、いつか博物館へいったとき、こわくなっちゃった。でも、あの仏像は、たいてい国宝なんだね。」
「ねえ、きみ、あのまんなかにある黒いかねの仏像ね、インド人みたいな顔してるね。」
「仏像って、たいていインド人の顔だよ。仏教はインドからはじまったんだもの。」
 ふたりはそんなことを言いながら、だんだんショーウィンドーの横手のほうへ、まわってゆきました。横からでないと、よく見えない仏像があったからです。
 ふと気がつくと、ふたりがはじめに立ちどまった、ショーウィンドーの正面に、ひとりの洋服の紳士が立っていました。ソフト帽をまぶかにかぶり、オーバーのえりを立てて、それにあごをかくすようにして、じっと一つの仏像を見つめています。それは黒っぽい金属でできた、高さ十五センチほどの小さい仏像ですが、ショーウィンドーのまんなかに、りっぱな台にのせて、さもだいじそうに、かざってあるのです。
 木下少年は、その紳士の顔を、しばらく見ていたかと思うと、なぜか、びっくりしたように、いきなり、ひじで島田少年のわき腹をつきました。
 島田君がおどろいて、目をあげますと、木下君の二つの目が、まんまるに見ひらかれ、いまにも、まぶたから飛びだしそうになっていました。そして、そのまんまるな目は、ガラスのむこうの紳士の顔を、穴のあくほど見つめているのです。
 島田君も、紳士の顔を見ました。すると、島田君の目も、木下君とおなじように、まんまるになって、まぶたから飛びだしそうになりました。
 なにが、そんなに、ふたりの少年をおどろかせたのでしょう。それは、その紳士の顔は、人間の顔ではなかったからです。
 ふたりの少年は、はじめは、その紳士がお面をかぶっているのではないか、と思いました。しかし、お面ならば、ひもで両方の耳にかけてあるはずですが、よく見ると、そんなひもはどこにもないのです。お面と、ほんとうの顔とのさかいめがないのです。もしお面だとすれば、頭からスッポリかぶるような、とくべつのお面なのでしょう。
 紳士の顔は、洋服屋のショーウィンドーにある、西洋人の人形とそっくりでした。あの人形はろうでできたのではありませんが、この紳士の顔はろうのようにスベスベして、すきとおるように白いのです。ろう人形です。ろう人形が町をノコノコあるいてきて、ショーウィンドーの前に立っているのです。
 ほんのりと赤みのさした、まっ白な顔、高い鼻、かっこうのいい口ひげ、美しい西洋人の男の顔です。しかし、生きた顔ではありません。まゆも、目も口も、いくら見ていても、すこしも動かないのです。ろう人形のように動かないのです。そのうえ、この紳士には、目の玉というものがありません。二つの目は空洞のように、まっ黒に見えているだけです。
 紳士は小さな仏像を、くいいるように、見つめていて、ショーウィンドーの横手のほうにふたりの少年がいることを、まるで気づかないようです。
 島田君も木下君も、このぶきみな紳士のそばから、はやく逃げだしたいと思いました。しかし、からだがすくんだようになって、身うごきもできないのです。もし、少しでも動いたら、ろう人形がいきなり、こちらへ飛びついてくるのではないかと、それがおそろしかったのです。
 そのあいだが、ひじょうに長いように思われましたが、ほんとうは、五分もたっていなかったのです。やがて、ろう人形の紳士は、ショーウィンドーの前をはなれて、あるきだしました。ふしのたくさんある竹のステッキをついて、まるで機械人形があるくような、へんなかっこうで、コットリ、コットリと、あるいてゆくのです。
 二少年は目を見あわせました。このまま、はんたいのほうへ、逃げだそうか、それとも、あのふしぎな紳士のあとをつけて、その正体を見やぶってやろうか。ふたりは少しも口をきかないで、目で、そういう相談をしました。
 そして、やっぱり、あとをつけてみようということに、相談がきまったのです。きみ悪さよりも、ほんとうのことが知りたいという気持ちのほうが、つよかったのです。
 ふたりは、背をかがめ、のき下をつたうようにして、ふしぎな紳士のあとを、しはじめました。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: