日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

透明怪人-另一个小丑

时间: 2021-11-14    进入日语论坛
核心提示:第二の道化師 窓をひらいても、れいによって、影のぬしは何も見えません。黒川記者は舌うちしながら、席にもどるほかはありませ
(单词翻译:双击或拖选)

第二の道化師


 窓をひらいても、れいによって、影のぬしは何も見えません。黒川記者は舌うちしながら、席にもどるほかはありませんでした。
 さて、その夜十時ごろになると、文代さんは寝室のベッドにはいり、小林少年はその左がわの自分の寝室へ、中村係長と黒川記者は、文代さんの部屋の右がわの客用の寝室へ、ひきとりました。三人の刑事は徹夜のかくごで、ふたりは裏庭に、ひとりは玄関に、がんばっています。
 ただでさえさびしい屋敷町です。夜がふけるにつれて、遠くからの物音もとだえ、そのあたりいったいは、まるで大きな森の中へでもはいったように、しずまりかえっていました。
 まよなかの十二時をすぎ、一時に近いころ、探偵事務所の裏庭のそとに、ちょっとわけのわからない、みょうな出来事がおこりました。
 探偵事務所は、明智の住宅をもかねていて、一〇〇平方メートルほどの裏庭には、いろいろな木が美しくうえてあるのですが、ふたりの刑事は、よくしげったひのきのかげに、イスを持ちだして、それに腰かけ、木の枝のあいだから、四方に目をくばっていました。腰かけているばかりではありません。ときどき、そのうちのひとりが、イスから立って、塀のそとの道路まで出て見ることもあるのです。
 裏庭と道路とのさかいには、ひくいコンクリート塀があり、そこに出入り口のくぐり戸がついているのです。塀のそとには街路灯が立っていて、それが庭の中までも、かすかに照らしています。
 いま、ひとりの刑事が、イスをたちあがって、庭をよこぎり、そのとき、くぐり戸をひらいて、そとの道路に一歩ふみだしたのですが、出たかと思うと、ギョッとしたように、たちすくんでしまいました。
 さびしい裏町のことですから、この夜ふけに、だれも通るものはないはずだと、思いこんでいたのに、見ると、すぐむこうの街路灯の柱のそばに、みょうなものが立っているではありませんか。それは、まっかな着物を着た、大きな人形のようなものでした。
 刑事とその人形のようなものは、二十メートルほどへだてて、しばらくにらみあいをつづけていました。じっと見ていると、それは人形ではなくて、生きた人間、赤と白のだんだらぞめの道化服を着た人間であることが、わかってきました。
「アッ、あいつだ。きょうの夕がた、公衆電話の中で消えうせたという、あの道化師にちがいない。」
 刑事は、とっさに、それをさとると、いきなり道化師にむかって、飛びかかっていきましたが、道化師のほうでも、そのときはもう、いちもくさんに、かけだしていました。ばかに足の早いやつです。
 刑事は走りながら、呼びこをとりだして、ピリピリ……と吹きならしました。裏庭にいたもうひとりの刑事がそれをきいて、飛びだしてきましたが、さきの刑事とのあいだは、もう五十メートルもへだたっています。とてもおっつけるものではありません。
 さきの刑事は、また逃がしてしまうのかと、ざんねんでたまりません。歯をくいしばって、死にものぐるいのスピードをだしました。しかし、あいてはそれよりも早く走るのです。そうして、町かどを三つほど通りすぎたときです。走っていた道化師が、何を思ったのか、ピッタリ立ちどまってしまいました。
 見ると、むこうのくらやみの中に、怪物の目玉のような懐中電灯が光っています。それはふたりの制服巡査でした。このふきんの警戒にあたっていた巡査が、今の呼びこを聞きつけて、道化師のゆくてに立ちふさがってくれたのです。
「しめたッ!」刑事は心にさけびながら、いきなり道化師に近づくと、柔道の手で、みごとに、パッと、あいてを地面に投げたおし、その上から、馬のりになってしまいました。
「きさま、透明怪人だな、こんどこそ、もう逃がさないぞ。」
 そして、道化師のろう仮面を、はがそうと、顔に手をかけたのですが、それはお面ではなくて、ほんとうの人間の顔であることがわかりました。
「おや、それじゃ、きさま、透明人間じゃなかったのか。」
「そんなもんじゃありません。チンドン屋の紅丸(べにまる)っていうものです。人ちがいです。わたしゃ、何も悪いことはしません。はなしてください……。」
 くみしかれた道化師は、泣き声をたてて、わめきました。
「それじゃ、この夜ふけに、どうしてあんなところに立っていたんだ。」
「たのまれたんです。」
「たのまれた? だれに、何をたのまれたんだ。」
「だれかわかりません。三時間ほどまえ、道で行きあった紳士です。五千円札をくれました。そして、さっきのうちの、塀のそとに立っていろ。そこへおまわりさんが来るが、塀の中から人が出てきたら、いちもくさんに逃げだせというんです。それで五千円なら、うまい話だから、しょうちしたんです。」
 懐中電灯でよく見ると、このチンドン屋は、いかにもまぬけな顔をしていました。五千円に目がくらんで、こんなつまらない役目をひきうけたというのも、まんざらうそではなさそうです。
 しかし、もしこの男の言うのが、ほんとうだとすると、その紳士は、なんのために、そんなことをたのんだのでしょう。刑事は首をかしげました。
「ともかく、中村係長のところへ、ひっぱっていくことにしようじゃないか。これには、何かわけがありそうだぜ。」
 あとからやってきた、もうひとりの刑事が、道化師に馬のりになっている刑事の耳に、ささやきました。
 そこで、さきの刑事は、やっと立ちあがって、チンドン屋をおこしてやり、その手くびを、かたくにぎったまま、グングンと、もと来たほうへ、ひっかえしました。もうひとりの刑事とふたりの警官も、そのあとにしたがいます。
 三百メートルあまり、もどって、探偵事務所の裏口に近づきますと、そこに黒川記者がまちうけていました。
「どうしたんです。なんだかさわがしいので、目をさまして、ここまで出てみたんだが。」
「ああ、黒川さんですか、こいつけしからんやつです。だれかにたのまれたと言って、そこのところに立っていたんですよ。夕がたの道化師のことを聞いているものだから、てっきり透明怪人だと思って、おっかけたんです。こいつ、ばかの足の早いやつで、大あせをかきましたよ。」
 刑事は、いまの出来事を、すっかり話してから、
「やっぱり、一度、中村係長さんに、しらべていただきたいと思って、しょっぴいてきたのです。」
「ウン、中村さんは、よほどつかれていたとみえて、グッスリねこんでいる。だから、起こさないで、ぼくひとり出てきたんだが、それじゃ、中村さんを起こして、ここへ来てもらうことにしよう。」
 黒川記者は、そう言って、裏庭のおくに、すがたをけしました。ところが、黒川記者が、うちの中にはいってみると、そこには、じつにおどろくべき、珍事がおこっていました。魔法使いの怪老人は、またしても、おそろしい魔法をつかったのです。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: