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透明怪人-捡脑袋的绅士

时间: 2021-11-13    进入日语论坛
核心提示:首をひろう紳士 中村係長のさしずにしたがって、小林君はすぐひきかえして、ふたりの少年団員に両手をとられた、わかいルンペン
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首をひろう紳士


 中村係長のさしずにしたがって、小林君はすぐひきかえして、ふたりの少年団員に両手をとられた、わかいルンペンを、つれてきました。
 二十四―五歳の、見るからに、きたならしいルンペンです。カーキ色のよごれた服を着て、手には、やぶれた古ソフトを持ち、足はどろまみれの、はだしのままです。モジャモジャにのびた、かみの毛、青黒いやせた顔に、目ばかりがギロギロ光っています。
 中村係長は、その男をイスにかけさせ、おまえの見たことを、くわしく話してごらんと、やさしくたずねました。そこで、ルンペン青年は、おずおずと、つぎのようなおそろしい話をはじめたのです。
 その夜、このルンペン青年は、ねぐらをもとめて、町から町をさまよっているうちに、島田邸のいけがきのそとを通りかかりました。それは、思いあわせてみると、透明怪人が地下室の金庫から「真珠塔」をぬすみだした、すぐあとのことだったのですが、青年は、いけがきの中の、くらい庭に、何か、モゾモゾうごいているものがあるのに、気づいたのです。
 そこで、立ちどまって、いけがきのすきまから、中をのぞいて見ました。
 青年の目は、くらい所ばかりあるいてきたので、やみになれていました。それに庭の遠くのほうに常夜灯の電灯がついていて、その光がかすかに、そのへんを照らしていました。
 目をこらすと、一本の立ち木の下の草むらにみょうなものがちらばっています。ネズミ色のオーバー、黒っぽい洋服、白いシャツやズボン下、ネズミ色のソフト帽、クツもちゃんと一足そろっています。それだけなら、なんでもないのですが、それらの衣類にまじって、じつにおそろしいものがころがっていました。青白い色の、まるいものです。そして、それにモジャモジャと毛がはえているのです。
 青年は、はじめのうちは、それがなんであるか、まるで、けんとうがつきませんでしたが、よく見ていると、そのまるいものには、目や鼻や口があることが、わかってきました。それは、人間の首だったのです。
 青年は、あまりのおそろしさに、ギャッとさけんで、逃げだしそうになりました。草むらに人間の首がころがっているのですから、だれだって、びっくりしないわけにはいきません。人ごろしの現場でも見たように、せなかがゾーッとさむくなってきました。
 ところが、そのとき、逃げだそうとした青年が、思わず足をとめるような、もっとふしぎなことが、おこりました。青年は魔法にでもかかったように、その動くものから、目をそらすことが、できなくなってしまったのです。
 そうです。それは動いていたのです。なま首がではありません。洋服のズボンがです。黒いズボンが、何かに持ちあげられるように、地面から、スルスルとあがって、グニャグニャ動いていたかと思うと、ひとりでシャンと立ったのです。つまり、ちょうど、人間がズボンをはいたようなかたちに、二本の足で立っているのです。立っているばかりではありません。それが、あちこちと、あるきだしたのです。
 青年は、またしても、ギャッとさけびそうになりました。しかし、もし声をたてたら、どんなおそろしいめにあうかもしれないと思ったので、やっとのことで、声をおさえました。
 あぶらあせをながしながら、なおも見ていますと、こんどは、白いシャツが、ヒラヒラと宙にまいあがり、モゴモゴ動いているうちに、まるで、人間がシャツを着たような、かたちになりました。それから、つぎには、白いワイシャツがヒラヒラとして、また、人間が着たかたちになりました。つまり、目に見えない人間が、ズボンをはき、シャツを着、ワイシャツを着たという、感じなのです。
 ルンペン青年は、キツネにでも、化かされているのではないか、それとも、おそろしい夢でも見ているのではないかと、思いました。そうでなければ、こんなへんてこなことが、おこるはずがないからです。
 目に見えないやつは、それから、上着をき、クツをはき、手ぶくろをはめました。すっかり洋服紳士になりすましたのです。しかし、たったひとつ、ないものがあります。首がないのです。
「みなさん、肩から上に何もない人間、首のない人間を見たことがありますか。ぼくも生まれてから、はじめて見たのですが、そりゃあ、へんなものですよ。」
 青年は中村係長たちにむかって、さもおそろしそうに、そんなことを言いました。
 ところが、そのつぎには、もっともっと、へんなことが、おこったのです。
 地面に人間の首だけが、ころがっていたことは、さっきも言ったとおりですが、首のない洋服男は、身をかがめて、その地面の首をひろったのです。両手が青白い首を持ちあげたのです。「アラッ、おちていたのは、この人の首だったのか。」と、青年が、へんなことを考えているうちに、首なし男は、両手に持った首を、スーッと上にあげて、じぶんの肩の上に、チョコンと、のせました。すると、ふしぎなことに、首はそこにくっついたまま、はなれなくなったではありませんか。首なし男に首がついたのです。もうりっぱな一人まえの人間です。
 青年は夢に夢みるここちで、いけがきのそとに、うずくまったまま、身うごきもできないでいましたが、すると、首のついた洋服紳士は、オーバーを着、ソフト帽をかぶって、いきなり、こっちへ、ちかづいてきました。青年はもう、生きたそらもありません。小さくなって、ブルブルふるえているばかりです。
 しかし、その怪物は、青年に近づいたのではありません。いけがきのうちがわに立ちどまって、あちこちと見まわしていましたが、すぐ近くに、いけがきのやぶれた個所をみつけると、バリバリと音をさせて、そこから、そとへ出てきました。そして、もういちど、ゆっくりあたりを見まわしてから、くらい町を、むこうのほうへ、立ちさってしまいました。青年は、うまく、みつからないで、すんだのです。

 ルンペン青年が話しおわると、中村係長が、まず口をきりました。
「きみの見たなま首というのは、透明怪人の有名なろう仮面なんだよ。首なしで町をあるくわけにはいかないから、頭からスッポリかぶるろう仮面でごまかしているのだ。」
「それは、ここにいる子どもたちに、聞きました。ぼくは新聞を読まないので、今まで、透明怪人のことを、知らなかったのです。」
 青年が、まぬけな顔で言いました。
「で、きみは、そのままじっとしていたんだね。怪物をおっかけようともしなかったんだね。」
 黒川記者が、青年をしかりつけるように、たずねます。
「ハア、あいつが、そういう悪いやつだとは、知らなかったので……。たとえ、知っていても、ぼくには、あんなきみの悪いやつを、おっかける勇気はありません。さけび声をたてなかったのが、やっとですよ。」
「バカだなあ。なぜ、さけばなかったんだ。きみがおしえてさえくれれば、こちらには、いくらも人がいたんだ。いま東京じゅうを、さわがせている、大怪物を、きみは、とらえようと思えば、とらえられたんだぜ。それを、まんまと、逃がしてしまうなんて……。」
「イヤ、ぼくは、勇気がなかったけれど、ひとり、あいつを、おっかけた人がありますよ。」
「エッ、なんだって、なぜ、それを早く言わないんだ。だれだ。だれが、あいつをおっかけたんだ。」
「子どもです。ここにいる、ぼくをつかまえた子どもたちと、おんなじような子どもです。」
 ルンペン青年は、小林少年とふたりの少年団員を、ジロジロ見ながら、なんだか腹だたしげなちょうしで、答えました。
「ぼくが、いけがきのところに、しゃがんでいると、ひとりの子どもが、懐中電灯を、ふり照らしながら通りかかりました。そして、ぼくを見つけると、何をしているのだと聞きました。ぼくはまだ、こわくて声もだせなかったのですが、あの首をひろった洋服紳士のすがたが、むこうのほうに見えていたので、それを指さしたのです。すると、その子どもは、なにか、ひとりで、がてんして、懐中電灯を消すと、そのまま、洋服紳士の怪物のあとを、こっそり、つけていきました。」
「うまい。小林君、それはきみたちの団員のひとりにちがいないぜ。だが、ひとりっきりでは、心ぼそいな。とっさに、れんらくをするひまがなかったので、ともかく、尾行したんだろうが、その子の身のうえがしんぱいだ。小林君、それ

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