日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

透明怪人-透明男孩

时间: 2021-11-13    进入日语论坛
核心提示:透明少年 それから、どれほどの時間がたったのか、わかりませんが、大友君は夢からさめたように、しぜんに目をひらきました。や
(单词翻译:双击或拖选)

透明少年


 それから、どれほどの時間がたったのか、わかりませんが、大友君は夢からさめたように、しぜんに目をひらきました。やっぱり、手足が何かにしめつけられていて、すこしも身うごきができません。
 しかし、それは怪老人の腕ではなくて、グルグルまきのほそびきでした。大友君はイスにかけさせられ、両手両足を、ほそびきで、しばりつけられていたのです。
 そばにはだれもいません。一坪ほどの、せまい箱のような場所です。ふと気がつくと、正面のかべに、なにか光ったものがあります。鏡です。三十センチ四方ほどの鏡が、かべに、はめこみになっているのです。大友君は、それが鏡だとわかるまでに、一分もかかりました。そこには、なんとも、えたいのしれない、へんてこなものが、うつっていたからです。
 鏡の中には、学生服の胸から上だけが、こちらをむいていました。しかし、その服のえりの上には、首がないのです。学生服は大友君の着ているのと、しわのよりかたから、ボタンの図案まで、まったく同じでした。その鏡にうつっているのは、自分にちがいないのです。それでいて、首だけが、まるで、ふきとったように、消えてしまっているのです。
 大友君は、あまりのおそろしさに、からだがガタガタふるえてきました。顔もまっさおになったのでしょう。しかし、その顔は人の目には見えません。顔がなくなっていたのです。からだもなくなっていたのです。大友君は、いつのまにか、透明人間にされてしまったのです。鏡に学生服だけが、うつっているのは、そのためだったのです。
 みなさん、自分のからだが、まったく目に見えなくなったら、どんな気持ちがすると、思いますか。自分が、この世から消えてしまうのです。しかし、ちゃんと生きているのです。むかしの忍術使いは、自分のからだを、かきけすことができたそうですが、でも、それは一時のことです。また、もとのすがたにもどれたのです。ところが、大友君は、もう二度と、もとのすがたには、なれません。一生、目に見えない人間として、くらさなければならないのです。世の中に、こんなおそろしいことが、またとあるでしょうか。
 大友君はそれを思うと、なんとも言えないかなしみが、こみあげてきました。「おかあさーん。」と、さけびたくなるのを、やっと、歯をくいしばって、こらえました。しかし、なみだをとめることは、できません。あついなみだが、ほおをつたって、ながれているのが、よくわかります。でも、そのなみだは、目には見えないのです。前の鏡には、何もうつらないのです。
「おお、気がついたか、きぶんはどうだね。」
 ふりむくと、横ての小さなドアがひらいて、そこから、怪老人の四角なメガネが、のぞいていました。
「きみはもう、人の目に見えない透明人間になったのだよ。きみがいまニコニコ笑っているのか、べそをかいているのか、わしにも見えない。どうだね、さびしいかね。それとも、たのしいかね。きみはきょうから猿飛佐助さるとびさすけのように、どんなことだって、できるんだよ。すばらしい透明怪人になったのだよ。さあ、元気をだしたまえ。」
 怪老人は、大友君のそばに近づくと、イスごと持ちあげて、大友君を小部屋のそとに、つれだしました。暗い土の廊下です。そこで、手足のなわをほどき、大友君をだきあげて、どこかへはこんでいくのです。
「ちょっとのまのしんぼうだ。きみが空気男のくらしになれるまで、すこし、きゅうくつな思いをしてもらわなければならん。ひょっと、逃げだされでもしたら、たいへんだからね。いま逃げだしたら、きみは透明人間というものに、なれていないから、すぐつかまってしまう。目には見えなくても、からだはあるんだから、一度つかまったら、もうおしまいだよ。だから、きみは、しばらく、ここにはいっているんだ。」
 ガチャンと音がして、鉄のこうし戸がひらきました。その前のゆかに、しょくだいがおいてあって、小さなローソクの光が、ぼんやりと、あたりを照らしています。
 老人は大友君を鉄ごうしの中に入れて、ピッタリ戸をしめると、そとから、かぎをかけてしまいました。
 それは動物園の猛獣のオリのような鉄ごうしの牢屋でした。大友君はそこに、とじこめられてしまったのです。
「しばらくの、がまんだ。食事はちゃんと、はこんであげるからね。」
 老人は長い白ひげをふるわせて、声をたてないで、笑いました。四角なメガネが、ローソクの火をうけて、きみ悪くキラキラと光りました。老人はそのローソクを手にもち、どことも知れず、たちさってしまいました。
 大友少年は、ローソクのなくなった、まっくらやみの中で、つめたいコンクリートのゆかに、うずくまっていました。なんともいえない、さびしさと、かなしさに、うちひしがれて、うずくまっていました。


轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: