笑府
ある道士、弟子をつれて法事に行った家でお斎(とき)を出され、この際とばかり、出されたご馳走を二人ですっかり平らげてしまったため、腹がはち切れそうで苦しくてならない。
帰り道で、道士の頭巾(ずきん)が風に吹きとばされて、地面にころがった。
「おい、拾ってくれ」
と道士がいうと、弟子は、
「わたしの靴下もずり落ちて、歩きにくくてならんのです。お師匠さんの頭巾が拾えるくらいなら、自分で靴下の紐を結びますよ」
しばらく行くと、道に大きな牛の糞が落ちていた。道士はそれを見ると、いかにもうらやましそうに、
「ああ、わしもあれくらいの糞がひり出せたら、腹の中がさっぱりするだろうになあ」
ようやく家に着くと、道士は下男にいった。
「ああ苦しい。すぐ寝るから籐(とう)の寝台を持ってきてくれ」
「お加減がわるいのでしたら、薬を買ってまいりますからお飲みください」
下男が心配してそういうと、道士は、
「いやいや、わしはもう一滴も腹へははいらん。膏薬を買ってきてくれ。腹の上へ貼るから」
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