笑府
蘇州へ商用で行く男、友人に、
「蘇州人は何でも倍くらいにいうから、半分に思えばよい」
と教えられた。
さて蘇州へ行ったその男、ある人に、
「お名前は」
ときくと、
「陸(りく)と申します」
といったので、
——ははあ、六(りく)というと、三男坊というわけか。
「お住居(すまい)は幾間(ま)で?」
「五間です」
——ははあ、二間半というわけか。
「ご家族は何人で?」
「女房一人きりです」
——ははあ、誰かと共用しているわけか。