戦国策(燕策)
易水(えきすい)のほとりで蚌(はまぐり)が口をあけてひなたぼっこをしていた。すると鷸(しぎ)がやってきてその肉をついばんだので、蚌は貝殻を閉じて鷸のくちばしをはさんでしまった。
そこで鷸が蚌に、
「今日も雨が降らず、明日も雨が降らなかったら、死んだ蚌ができあがるぞ」
というと、蚌も鷸に、
「今日もはなしてやらず、明日もはなしてやらなかったら、死んだ鷸ができあがるぞ」
といい返し、両方とも負けずに頑張りあった。
そこへ漁師がやってきて、鷸と蚌をいっしょに持って行ってしまった。