戦国策(韓策)
秦は強大国であり、韓は弱小国であった。
韓は秦を嫌っていたが、親しんでいると見せかけるために、金を贈ることにした。しかし韓には金がない。そこで後宮の美女を売って金にかえることにしたが、美女の値が高いので諸侯は買えなかった。
韓が美女を売ろうとしていることを知った秦は、三千金で買い取った。そこで韓は、その三千金を友好のしるしとして秦に贈った。韓の美女は身売りをされた怨みから、
「韓は秦をおそれ嫌っている」
と告げた。韓は美女と金を失った上に、秦を嫌っていることがつつぬけになってしまったのである。