笑賛
鍾馗(しようき)は好んで鬼を食う。鍾馗の妹が兄の誕生日に贈り物をしたが、その添え状に、
「酒一樽と鬼二匹、兄上に召しあがっていただきたく、お送りいたします。もし足りないようでしたら、この荷をかついで行った者をふくめて三匹、召しあがってくださいませ」
とあった。
鍾馗は荷を受けとると、荷をかついできた鬼をふくめて三匹の鬼を料理人に渡して煮させることにした。
かつがれてきた鬼が、かついできた鬼にいった。
「おれたちが殺されるのはあたりまえだが、おまえはなんでわざわざ、殺されるために荷をかついできたんだ?」