笑賛
ある男、継母につかえて孝行をつくそうと思い、ある学者にたずねた。
「古人で、継母につかえて最もよく孝行をつくした人は誰でしょうか」
「それは閔子騫(びんしけん)だ。彼は冬、蒲(がま)の穂を着て、綿衣(わたいれ)は継母の子にゆずったというから」
そこでその男は蒲の穂を着ることにした。そしてまた、たずねた。
「ほかには誰が孝行だったでしょうか」
「王祥(おうしよう)だ。彼は継母が冬、魚を食べたいといったところ、氷の上に寝て穴をあけ、魚を取ったというからな」
「その孝行は、わたしにはできそうにもありません」
「どうしてだ」
「王祥の着物はおそらく、わたしのよりも厚かったでしょうから」