日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 作品合集 » 正文

美女入門85

时间: 2019-07-30    进入日语论坛
核心提示:センチメンタル・フォト・ストーリー 引っ越しの整理をしていたら、出てくるわ、出てくるわ(というほど数は多くないが)、昔の
(单词翻译:双击或拖选)
 センチメンタル・フォト・ストーリー
 
 
 引っ越しの整理をしていたら、出てくるわ、出てくるわ(というほど数は多くないが)、昔の彼の写真と手紙。
 やっぱり長く独身を通していれば、それなりのことがあったのね、とつくづく思う。海外で暮らしていた男と、遠距離恋愛をしていた頃のエアメイルもいっぱい出てきて、私をつうんとせつなくさせるの。そういえば、この彼からの手紙を、当時テツオに見せたところ(あたりさわりのないものを選んでだけどね)、
「あんたは中学生と文通しているのか」
 とせせら笑われた。確かにガテン系の彼は、字もヘタだったし漢字も知らなかった。あの時はテツオのことを「何てイヤな奴」と思ったけど、やはりこうして読むと字がヒドいわ……。
 別の彼とのツーショットが出てきた。雪の中で二人で撮ったお気に入りの一枚。うんと大きく引き伸ばしたやつだ。こういうものは夫に見せられないので、秘書のハタケヤマに見せびらかす。
「わー、ハヤシさんの昔の彼ってハンサムなんですねー」
 と言われて、私はすごく嬉しかった。
「ハヤシさんとすごくお似合いですよ。年まわりもいい感じ。見るからに仲よしの二人っていう写真ですよねー」
 そうでしょう、そうでしょう、と私はすっかり嬉しくなった。私はマリアンなんかと違って、別れた男の悪口は絶対に言わない女である。そりゃ別離の直後は恨んだこともあるし、ワルグチをまわりに言ったこともある。けれども縁あって仲よくなった二人じゃないか。胸が張り裂けるぐらい好きになった男である。どうして悪口なんか言えようか。
 少女の頃、私は恋愛小説をいっぱい読む想像過多の女のコだったが、現実は何ひとつ楽しいことが起こらなかった。いくら昔の、田舎の学校といっても、そろそろまわりではボーイフレンドが出来始める。中学生になったとたん、このあいだまで一緒にハナ垂らしてた友人が、男の子から手紙をもらったりする。それなのに私には何も起こらない。
 ひとり胸を痛め、いろいろなことを考えたものだ。
 私には一生、恋人なんか現れないんじゃないかしらん。「好き」とか「愛してる」なんて誰からも言ってもらえないんじゃないか。そんなことを考えると、悲しくて悲しくて、涙が出てきたものである。
 ところが不思議なものね。年頃になればちゃんとそういう男の人が現れる。生まれて初めて恋人が出来た時、私はその人を質問責めにしたかった。
「私でいいの? 本当にいいの?」
 彼の目に、私はどう映っているのかしらん。いくら恋する男の目で見ても、ぜい肉はぜい肉、垂れ目は垂れ目じゃないかしらん。しかし心から�可愛い�とか言ってくれちゃって、あの時は奇跡が起こったような気がしたなあ……。
 彼と一緒に焼肉を食べる。うんとニンニクくさいゲップをしちゃった。そして彼のところへお泊まりする。酔っぱらってイビキをかいたみたい。次の日の朝、彼からそう言われた。けれども不思議なことに恋は続く。私にはどうしても解せなかった。
 雪の中に一緒に写っている男の人、彼のことを考えると、今でも私は涙が出てきそうになる。あの頃の私は、奇跡がどこまでも続くものだろうかと彼の心を試そうとしたのだ。傲慢《ごうまん》になっていたし、嫌われることをいっぱいした。そして本当に嫌われたのである。
 彼からの別れの手紙も、ちゃんと保存してある。随分時間がたつのに、まだ読む勇気がない。ああ、あの頃の私に今の私の知恵があれば、悲しい結末は迎えなかったんじゃないかしらん……。
 が、甘い記憶ばかりではない。私がデブの頃の写真もいっぱい出てきた。今でもデブの部類に入るが、この頃の太り方といったらちょっと異常といってもいいぐらい。顔は二重|顎《あご》だし、お腹のへんときたら新弟子検査クラスのお相撲さんだ。しつこいようだが、私は�女ロバート・デ・ニーロ�と呼ばれ、体重が十数キロ変動する。が、写真を見たところ、この十年ぐらいのうち七年は超デブのままでいたのね。
 そんな感慨にふけっている最中、テツオから電話がかかってきた。
「あのさ、今度�おしゃれ有名人のインテリア拝見�っていうのに出てよ。嬉しいだろー、あんたが�おしゃれ有名人�なんだぜー」
 いつもだったらこういう嫌味に腹を立てる私だが、素直に喜んだ。
「う、うれしい。苦節十年。私もやっと�おしゃれ有名人�って言われるようになったのね。ねぇ、テツオさん、昔の写真を見てたら、私ってすごいデブ。すごいダサイ。あんな私をよく『アンアン』のグラビアに出してくれたわね。連載持たせてくれたわねー。ありがとねー」
 私の素直さに、さすがのテツオも驚いたようだ。
「お礼を言うなら、あの時の編集長○○さんに言ってよ」
 そうか、○○さん、ありがとう。あの時の私を出してくれたなんて、初めて「愛してる」って言ってくれた男の人と同じぐらい感謝します。○○さんは女なんだけどさ。それにしても昔の写真見るって、本当に心が洗われる。謙虚になるし、やさしくなるわ。今日のこのページはいつもと違うでしょ。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%