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遠野物語拾遺172

时间: 2019-08-26    进入日语论坛
核心提示:一七二 遠野新町の紺《こん》屋《や》の女房が、下組町の親戚へ病気見舞いに行こうと思って、夜の九時頃に下横町の角まで行くと
(单词翻译:双击或拖选)
 一七二 遠野新町の紺《こん》屋《や》の女房が、下組町の親戚へ病気見舞いに行こうと思って、夜の九時頃に下横町の角まで行くと、そこに一丈余りもある大入道が立っていた。胆をつぶして逃げ出すと、その大入道が後から袖叩きをして追いかけて来た。息も絶えるように走って、六日町の綾文という家の前まで来て、袖叩きの音が聞こえないのに気がついたのでもう大丈夫であろうと思い、後を振り返って見ると、この大入道は綾文の家の三階の屋根よりも高くなって、自分のすぐ後に立っていた。また根《こん》かぎりに走って、やっと親戚の家まで行きついたが、その時あまり走ったので、この女房は脛が腫《は》れ上がって、死ぬまでそれが癒らなかったそうである。明治初年頃にあった話だという。
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