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遠野物語拾遺257

时间: 2019-08-26    进入日语论坛
核心提示:二五七 近年土淵村字恩徳に神憑《つ》きの者が現われて、この男の八《はつ》卦《け》はよく当たるという評判であった。自分で経
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 二五七 近年土淵村字恩徳に神憑《つ》きの者が現われて、この男の八《はつ》卦《け》はよく当たるという評判であった。自分で経文を発明し、佐々木君にそれを筆写してくれと言ってきたこともあった。山口の某という男がこの神憑きの男に八卦を見てもらいに行って帰っての話に、自分は不思議なことを見てきた。あの八卦者の家は常居の向こうが一本の木を境にして、三間ばかり続いて藁敷きの寝床になっていたが、そこには長い角材を置いて枕にし、人が抜け出したままの汚れた蒲団が幾つも並んでいた。家族は祖父母、トト、ガガ、アネコド夫婦に孫子等十人以上であるが、皆そこに共同に寝るらしかったと語ると、傍でこの話を聞いていた者が、なんだお前はそんなことを今始めて見たのか。あの辺から下閉伊地方ではどこでもそうしているのだと言った。佐々木君が幼時祖父母から聞いた胆沢郡の掃部長者の譚には、三百六十五人の下婢下男を一本の角材を枕に寝かして、朝になるとその木の端を大槌で打ち叩いて起こしたという一節があって、よほどこれを珍しいことのように感じており、ことさら長木の枕という点に力を入れて話されたものだという。
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