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愛人の掟 11

时间: 2019-10-18    进入日语论坛
核心提示:第7条 合鍵を渡さないこと かけがえのない、彼とふたりきりの時間。本当はホテルの一室で過ごすのが理想でも、現実の諸事情か
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 第7条 合鍵を渡さないこと
 
 
 かけがえのない、彼とふたりきりの時間。本当はホテルの一室で過ごすのが理想でも、現実の諸事情から、どうしても彼があなたの部屋を訪問することになる。そしてふたりの仲が密になればなるほどその機会が増える。会う度に彼があなたの部屋に来るのが暗黙のお約束のようになってくる。彼があなたの部屋に「まるで帰ってくるように」やってくるのは、あなたにとってものすごく嬉しいことかもしれない。しかし、ここで無邪気に喜んでばかりはいられない。これは危険な兆候なのだ。
 不倫の恋の敵はずばり「なれあい」である。彼にとってあなたは常に刺激的でいつまでもドキドキさせられる存在でなくてはならないのだから。でも、ふたりが親しくなるにつれ、この「なれあい」の影が忍び寄ってくる。でも、親しくなるのとなれあいになるのとは全然違うことなのだ。男性というのはこの「なれあい」に大変弱い生き物だから、気を許すとずるずると引っ張られてしまうから要注意。彼があなたの前で平気であくびをしたり、あなたの相談に面倒臭そうな態度で受け答えしたり、部屋に来るなり靴下を脱ぎはじめたりしたら、もうかなり「なれあい」の被害は大きいと判断してよいでしょう。
 彼とあなたは、何の約束も、保証も、希望もない中で、ただひたすらお互いを好きだという気持ちだけで一緒にいるのである。何の利害関係も契約もない、安心も安定もない、細い糸の上を歩くような恋愛だからこそ、相当な緊張感が必要なのである。それには、ふたりのあいだに忍び寄る「なれあい」の影を片っ端から振り払っていかなくてはならない。振り払うのはもちろん、女性の役目である。
 彼をあなたの部屋に上げるのは仕方ない。けれど、決して彼に合鍵を渡してはいけない。自分のプライベートな部屋を彼に見せるというだけで「なれあい」度としては相当な危険を犯しているというのに、これ以上のさばらせるなんてもってのほか。合鍵を渡すということはすなわち、あなたがいようがいまいが、いつ部屋に来てもかまわないという許可の証である。極端な話、いつ突然踏み込んでもほかの男がいる可能性がないと宣言しているようなものだ。もちろん実際に彼があなたの留守中に訪ねてきたり、連絡なしに突然やってくるほど非常識とは思わないけれど、鍵を渡すという行為自体が意味を持ってしまう。
 これは不倫の恋に限らず、合鍵というものは渡した相手に過大な安心感を与える。本当のところ、鍵ひとつもらったぐらいでそんなに安心しちゃっていいのかしら、と思うぐらい安心するんだよね。まあ、普通はお互いの鍵を渡し合ってお互い好きなだけ安心していればいいんだろうけど、あなたが鍵をあげたところで彼からもらえる鍵はないのだ。そんな割の合わないことをわざわざする必要なんか全然ない。そして何より、愛人は彼を安心させてはいけないのだから。もし彼がどんなに欲しがったとしても、合鍵だけは渡さない。あらゆる言い訳をしようと嘘をつこうと、この砦だけは守る。まあ、自分の立場をきちんとわきまえている男性なら、鍵を欲しがったりしないものですけどね。
 それから、あなたの生活のすべてが丸見えになってしまうような部屋のつくりは避けること。目指す雰囲気はホテルの一室。まるっきりホテルのように、というのは無理だけど、なるべく生活感のない部屋を心がけて。あなたのワードローブがずらりと見渡せたり、読んだ本や聞いているCDが全部わかってしまったり、クッションのカバーやスリッパの柄にお気に入りのキャラクターがついていたりするのは、とても理想的な愛人の部屋とは言えない。可愛くて女の子らしい部屋はちょっと卒業して、スタイリッシュでお洒落なインテリアにする。照明も出来るだけムーディーに仕上げ、ベッドメーキングは毎日念入りに。コーヒーカップやグラスなどの食器類も家庭的なかんじではなく、シンプルで洗練されたデザインを選びましょう。間違っても食パンのシールを集めてもらったお皿を使ったりしては駄目。ああいうのは主婦の特権ですからね。
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