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歌月十夜185

时间: 2019-11-29    进入日语论坛
核心提示:*s227 せーの、じゃーんけーん�ぽんっ。□教室一斉に突き出されるパーの群れ。その中で自分だけがチョキを差し出している。「
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*s227
 
 せーの、じゃーんけーん———�

ぽんっ。
 
□教室
一斉に突き出されるパーの群れ。
その中で自分だけがチョキを差し出している。
「お?」
自分で出しておきながら、勝利の証となった二本指をまじまじと見詰めた。
「げえ、なんだよ遠野の一人勝ちかよー!」
「あっけねえ。なに、わずか五秒で決着がついたわけ、うちの班?」
「なによ、じゃんけんなんかで抜け番を決めようって時点で間違ってるんじゃない。あたしは始めっから男子は強制、女子は自由に労働時間を決めるべきだって言ったんだからっ!」
「うわ、紅一点のくせにさりげにすげえコト言ってるよこの人!」
「まったくまったく。どうしてうちのクラスの女子はみんな乱暴者なんでしょうねぇ」
「なによケチ、男だったらオレが一日中店番してやるぜ、ニカッ!……ぐらいのカッコボイス吐いたらどう!?」
「…………」
おお、揉めてる揉めてる。
今日は文化祭の一般公開日だから、基本的に生徒は自分のクラスの出し物で手一杯になる。
なるのだが、せまいクラスに四十人もの生徒がいたらお客さんは入って来れないわけで、半分は裏方にまわり、そのまた半分は休み時間を与えられるワケである。
一クラスは実行委員を除いて一班六人の六グループで構成される。
で、一班につき自由に休み時間を決められる生徒は一人だけであり、その一人が今あっさりと決定したというワケだ。
「はいはい、もう決まっちまったもんはしょうがねえだろ。それで遠野、おまえどうするんだ?」
「そうだな、とりあえず午前中は外に出てるよ。忙しくなるのは午後からだろ? そうなったら手伝いにくるから、それまでよろしく」
「お、欲がないねえ。どっかのばか女に聞かせてやりたいぐらいだ」
「なによ、あたしだってそのつもりだったもん! こら、マネすんな遠野っ!」
がぁー!とこちらを威嚇してくる出席番号九番舞士間祥子。見たとおりの乱暴っぷりが認められてうちの班のリーダーにされた女の子だ。
「んじゃちょっと他のクラスの様子を見てくる。気が向いたらすぐ戻ってくるから」
「おう、行け行け。いつまでも残ってるとそこのばか女が先に飛び出しちまうからな」
同感、と頷いて廊下へ向かう。
「あー、待て遠野—っ! そんな、ちょっと他の様子を見てくるよ? なんて軽い気持ちならあたしと替われーっ! あたしは今日に懸けてんだってのー!」
背中にかけられる声に手をヒラヒラさせて答えて、残念でしたと教室を後にした。
 
□廊下
—————さて。
そんなこんなで午前中の自由時間を勝ち取ったけど、結局どこに行くことにしようか……?
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