「就職するから、つき合っている男のコはやめて、サラリーマンを相手にしたい」
「留学するから、ボーイフレンドに内緒でマッサージ・パーラーで稼ぎたい」
いずれも、自分を中心にしっかりと据えて、かかわりのある男のコのことは、わりとどうでもいい、という考え方をしていますね。女のコは、このくらいツワモノです。
たとえ、いまそうでなくても、女のコは小さなきっかけで変身するものです。ボリューム派の少女が、イキナリ、ぎんぎらぎんの新宿派にワープするように。男のコは、そんな女のコを十分に観察し、研究して、自分自身のチャートを築いていかなければ、ダメです。女のコも、「これでいい」などと思わずに、自分の見えない翼を広げて、自由に泳ぎまわることです。
この本のなかで、ボクはボクの理想とする恋愛の形を書いてきました。もちろん、そのパターンが、実際に、たくさんの人たちによって実行されています。でも、なるべく多くの人に、「よそ行き顔の恋愛」を楽しんてほしい、というのが、ボクの切なる願いです。恋をすることに引っこみ思案でいることが、一番、歯がゆいことなんです。
恋愛は、いいことです。恋愛は、お互いを刺激し、それぞれが相手を変身させるパワーを持っています。しかし、そのためには、まず、だれもが、
「いっぱい恋愛をしたい」
と思うことが大切だと思うんです。
男のコは、つき合っている女のコが成長し、変わっていくのを観察したがるものだ、と思います。確かに、ボクも、これまでの恋愛経験のなかで、つき合った女のコをリードし、その変化を観察して楽しんできたと思うんです。
「これからどうしようか?」
「ううん、わかんない」
といっていた女のコが、ふと気がついてみると、
「少し走ってリキシャ・ルームへ寄ってみたいわ」
とかいうようになっていることに気づきます。その変化にニンマリとしながら、実はボクも、どこかが成長させられたのだと思うわけですね。恋愛は、面白いものです。
恋愛の芽は、どこにでも転がっているんです。何年先、何十年先、あるいはいつまでたっても現れないかもしれない「白馬の王子様」を待っているよりも、あなたのすぐそばにいる、あの男のコが、あなたとつき合うことで「王子様」になるかもしれないのですよ。失敗を恐れずに、トライしてみてください。
恋愛は「トライ・アンド・エラー」の連続です。エラーの数が多いほど、あなたは「恋愛上手」になっていくんです。なくした恋の数が、新しい恋をより完璧なものに育てるはず。さあ、この本を閉じたら、すぐにでも、「よそ行き顔」で恋の探険にお出かけしてください。