2018-06-22 ゴミゴミした都会の道にはふれ合う夢さえ 落ちていないつめ...
2018-06-22 見返しに不幸が描かれていても閉じることのできないたった一...
2018-06-22 首にぶらさがったままはずそうともがいても呪縛にかかったよ...
2018-06-22 耳の外を野球中継が流れる心の裏側であなたたちのことを思っ...
2018-06-22 開ききった薔薇を見るのはピッと水の中で割れた硝子の器を手...
2018-06-22 春の嵐に 吹かれて桜の花びらが 散ってしまったその花びら...
2018-06-22 コンタクトレンズをはずしたら世の中がぼやけて狭くなった全...
2018-06-22 あなたが好きと顔に書いてしまういけないのに書いてしまう始...
2018-06-22 目をとじていくら探してもなんにもなかった体の中に 休まず...
2018-06-22 しまい湯の少しぬるくて薄いにごりそれは幼い日に遊んだ小川...
2018-06-22 昨日までは通過するだけで満足していた小さな駅で何か買いた...
2018-06-22 高血圧性脳内出血 妻の病名だレントゲンが 脳を刻んで見せ...
2018-06-22 縁側の黒ずんだ柱にカタカナのナとキが 鉛筆で書いてある縦...
2018-06-22 振り向いた風が微笑ながら夢野原へ手招きする大木を離れた木...
2018-06-22 鋭く裂けたくらげの傘がひと捩じりした螺旋型そんな曲面にし...
2018-06-22 干からびた土の上にまるでセルロイドのようなセミの抜け殻が...
2018-06-22 荷台にこぼれるように切り花を積んでさびついた自転車を老女...
2018-06-22 ききょう色に染まった水平線を角砂糖のような船がゆったりと...
2018-06-22 大木が挽かれた。蝉が 引越をした。農薬が撒かれた。セピア...
2018-06-22 点滅の中を 無蓋貨車が 闇を目指して行く身体を ヒョイ ...