2018-06-24 光る蛇口から透明な冷たさがほとばしる勢いよく泡立ちながら...
2018-06-24 ざっく ざっく ざっく九歳の少年が駈けてくる降りしきる夕...
2018-06-24 つなぎ合わせた言葉がするするとほどけてゆくようにとり残さ...
2018-06-24 田植えの終わった田んぼの中に悠久の時が生まれる温んだ川の...
2018-06-24 雪になる前の雷が鳴る音を初めて聞いた青年の勇気のような音...
2018-06-24 薄紫の夜明けの向こうに皆、隠れているのだ生も死も幸も不幸...
2018-06-24 とりがまだ鳥とよばれていないころとりは空を見上げて願うも...
2018-06-24 ラムネ瓶を胸の高さに持ちあなたを待つ瓶のくびれに絡めた指...
2018-06-24 昔 ぼくたちが魚だったとき海はどこにでもあったやがて ぼ...
2018-06-24 この世のかたみのからだを灰にして灰のなかから仏像をつくる...
2018-06-24 白く 厳かに夜が一冊の本のように明けてきた頁が進んで行く...
2018-06-24 部屋中を転げながら走る音もなく降りつもる世塵を吸い込みな...
2018-06-24 ガードレール沿いに葉桜の海を抜けそびえる鉄塔を一目散南風...
2018-06-24 「野の花が一番いいね」大きな瞳を細めながらあなたがさし出...
2018-06-24 鈍く光る珠を抱いてじっとうずくまっている少年のようだった...
2018-06-24 漠々とした想いの中にしめった焚き火のような感覚が出口を探...
2018-06-24 雨の匂いが好き。バックミラーに顔をのぞけて娘は言った。 ...
2018-06-24 森に居た光と影は別々の思いをはらんで葉影の間にいくつもの...
2018-06-24 明け方のまどろみの中に数年間の長い夢をみる反対に一瞬の間...
2018-06-24 蹴ったね今、蹴ったねその力、昨日と違うね私の身体の中心で...