「天皇の地位は日本書紀における『天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅(しんちょく)』に由来するものだ」。おとといの衆院憲法審査会で飛び出した言葉に耳を疑った。自民党の安藤裕議員の発言である。
“天皇的地位根据日本书纪记载,来源于《天壤无穷的神敕》”。前天,在众议院宪法审查会上竟然飞出了这样的话,令人难以置信。说这些的是自民党议员安藤裕。
神勅は、アマテラスが自分の孫であるニニギに告げた命令とされる。「平定された日本へ行き統治せよ、永遠に栄えるであろう」が大意だ。日本書紀に「天孫降臨」にいたる神話として書かれている。
神敕,即“アマテラス”(天照大神)给自己的子孙“ニニギ”的命令。其大致意思是“去统治被平定了的日本,荣光传万世”。在日本书纪所收录的《天孙降临》神话中记载了这个故事。
安藤氏は皇室典範についてこう述べた。「国会ではなく皇室の方々でお決め頂き、国民はそれに従うという風に決めた方がいい」。国民の代表が自ら国民主権を否定するような物言いである。
对于皇室典范,安藤氏说“我认为应该制定这样一条,国民服从皇室的决断而非国会。”国民的代表否定了自己的国民主权,这就是他言论的主旨。
「八紘一宇(はっこういちう)」「皇紀」「神武天皇の偉業」。昨年来、自民党議員の口から皇国史観ゆかりの言葉が次々飛び出す。あえて時代錯誤の語を持ち出すのはなにゆえか。いさめる人は党内にいないのか。
“八紘一宇”、“皇纪”、“神武天皇的伟业”,去年以来,从自民党议员的口中不断迸出有关皇国史观的言辞。屡屡说出与时代不符的言辞究竟意欲何为?自民党内难道没有劝谏的人吗?
教育史家の故・唐沢富太郎氏の資料館「唐沢博物館」(東京都練馬区)で、戦中の教科書「国史」を手に取った。最初のページに「神勅」がある。文字が格別に大きい。すぐ脇には「教育勅語」の展示もある。「天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼(ふよく)スヘシ」。天壌無窮そのものが、あの時代の狂気を支えた理念の一つだと実感する。
在已故教育史学家唐泽富太郎氏的资料馆(唐泽博物馆)中,我看到了战时的教科书《国史》。第一页上就出现了“神敕”。其字号特别的大。紧挨着的是“教育敕语”。“匡扶天壤无穷皇族气运”。我真切地感觉到所谓天壤无穷就是支撑那个疯狂时代的理念之一。
神話は当時の小学生にも見破られていた。唐沢氏の著書「教科書の歴史」によると、天孫降臨の図を教室で見せられた茨城県の小学生は「先生そんなのうそだっぺ」と尋ね、木刀で殴られた。神話と史実の混同が私たちを苦しめたのはさほど遠い昔の話ではない。
但就是这样一个神户被当时的小学生看透了。根据唐泽的著作《教科书的历史》记载,在教室看到天孙降临图画的茨城县小学生问老师,“这是骗人的吧”,他在用木刀打架。因为神话与史实混淆让我们饱尝痛苦的经历并非已是陈年旧梦。