返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 灰谷健次郎 » 正文

アメリカ嫌い11

时间: 2018-10-26    进入日语论坛
核心提示:   体について 体というものは、面白いものだ。 人間の体は微妙、且つ繊細に変化する。この夏のはじめは殊の外、暑かった。
(单词翻译:双击或拖选)
    体について
 
 
 体というものは、面白いものだ。
 人間の体は微妙、且つ繊細に変化する。この夏のはじめは殊の外、暑かった。
 暑いさなかのランニングは、ひどく体力を消耗するので、ほかの運動に切り替える方がよいとされている。
 それで、わたしは毎日のランニングを、暫時、休みとした。
 それはよかったのだが……。
 生活のバランスがほんの少しくずれた。
 走らなくてよいと思うから、つい余分の仕事を入れる。人と会う。すると玄米食をとる回数がどうしても減る。
 運動、食事がわたしの健康の源であったのに、そこが少々おろそかになった。
 運の悪いことに、ウッチンが品切れになる。
 ウッチンは沖縄で簡単に手に入るショウガ科の薬草で(薬草といっても根の部分を乾燥させ粉末にしたもの)体調を整えるのにもってこいのものだ。
 ウッチンは和名ウコンで、カレーに入っている黄色の成分といえば、誰でもうなずく。暑いときにカレーを食うのは、理に適《かな》っているわけである。
 
 沖縄の人は昔からたいした知恵を持っていて、これを常用すると体に良いことを知っていた。
 わたしの健康は、このウッチンに負うところが多い。
 ポパイにホウレンソウ、ハイタニケンジロウにウッチンである。それがなくなった。
 体の変化がどこにくるのかというと、誰でもそうだろうが、その人間の弱い部分に、まず、くる。わたしの場合は胃。
 膨張感で不快きわまりない。
 酒を飲んでも気持ちよく酔えない。これくらいの量なのに、と思うのに宿酔《ふつかよい》する。
 そして、とうとういちばん嫌なところへ、そいつがきた。不眠である。
 不眠症ぎみの体質は、もう、ほぼ完全に克服したと思っていたのでがっかりした。
 やれやれと思う。
 ま、死にはしないだろうけれど、白い、長い時間をまんじりともせず過ごす夜は、けっこうつらい。
 あしたから走ろうと思った。
 ウッチンも取り寄せた。
 わたしの体は、きわめて正直に反応する。根性はひねくれているが、体はいたって素直なのである。
 体調は三日ほどで、もとへ戻った。
 自分で、へえーと思う。
 
 以前、健康法にふれて、そんなものはなんだっていい。要は、心身との対話が大事なのだと書いた。
 わたしは早め早めにそれができるので、まことにありがたい。
 体の、わずかな変化をとらえて(わたしの場合は、どーんとくるが)素早く対応する。それが、わたしには面白いのである。
 自然と、自分の体にいちばん興味があり、あれこれやってみては楽しんでいるというところだが、これは、わたしの究極の遊びである。この遊びは、学ぶ事のきわめて多い胸のわくわくする道でもある。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%